21時間目。 ページ46
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演劇部の部室に着けば、話し合いが始まったばかりに見える蓮くんと翼くん。
バレないように入る為に扉は開けておいて貰ってたから
足音を立てないように物陰に隠れる。
蓮「待ってよ！じゃあ、四谷くんとAは付き合ってないの！？」
なんて珍しく取り乱してしまっている蓮くん。
ごめんね、
翼くんが、落ち着いて？なんて言って、話が出来る状況に戻してくれる。
それでも少し、不穏な表情を浮かべているであろう蓮くん。
私は蓮くんの後ろに居るけど、
声色だけでもそれが分かってしまうのは
ずっと片想いしてた幼馴染だからか、蓮くんが分かりやすいからか。
もうそろそろ呼ばれるかなと、蓮くんの後ろに立つ。
緊張してしまって、その場に立っているのもやっとな感じ。
四「遅くないよ。
…ね、Aちゃん。」
その言葉がスローモーションに聞こえて、
振り返った蓮くんを見つめた。
蓮「っえ、？」
心底驚いた顔で私を見つめる蓮くんと、見つめられている私を部室に置き去りにして、
四谷くんはどこかへ行ってしまった。
○「昨日の返事、してない、よね、？」
と私から口を開いた。
話せない病とは違う意味で、ぎこちない話し方なのは許して欲しいな。
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三村side
いつもよりカタコトに聞こえるAの話を聞き始めた。
○「あのね、昨日のは、友達として、慰めてくれただけ、なの。…これは翼くんから聞いたか、笑
だってね、私はずっと、
…蓮くんが好きだから。」
そっか、蓮くんが好きだったんだ。。
蓮「え！？待って、蓮くんって…」
○「うん。三村、蓮くん。今、目の前にいる、私の幼馴染。」
蓮「ちょっと待って、、ほんとに、？」
振られるつもりだったから、
発された言葉を理解するのに時間が掛かった。
…つまり、今までずっと好きと言っていた人は僕だったって事、？
て事は、今まで好きな人が出来た時。
話を聞いてくれていたAは少なからず傷付いていたかもしれないって事、？
僕がもっと早く、自分の気持ちに気付いていれば、Aが苦しまずに済んだって事、？
○「うん。ほんとだよ？ずっとずっと、私には蓮くんしか見えてないよ、」
少し罪悪感を覚えながらも、
それ以上にずっと好きでいてくれた事に感謝と嬉しさが募って、
蓮「A、」
思わず、そう近づいて、その場でAの華奢な体を抱き寄せてしまった。
きっと、幼稚園以来かな。
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作者名：ぴゅかぴゅう | 作成日時：2020年5月10日 15時
