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そう言われてハッとした。
確かに、好きな人が出来ても、
Aだったらこっちのが好きだなぁとか、
Aはこういう事言わないよなぁとか、
誰に対してもAと比べたり、常日頃からAが頭から離れる事は無かった。
蓮「確かに僕、ずっとAしか見てなかったのかも…、
でも、ずっと好きな人って誰なんだろ、」
葵「…ここまで言っても分かんないわけ？ほんとに鈍感すぎる、(小声)
Aの好きな人はね、
…やっぱり本人にちゃんと聞いて。私はもう何も言わない。だから、お願いだから、今日はちゃんと行ってね、逃げないで。」
言いかけた言葉にもどかしさは覚えたものの、今にも泣きそうな顔で真剣に言う大西さんを見て、
これだけ友達に大切にされ、愛されてるAをまた好きだと思った。
蓮「…分かった、絶対行く。」
葵「ん。じゃあ、私行くね？
貧血で少し休んでただけだし。話してたら、少しだけ安心したから、なんか楽になった。笑」
蓮「う、うん？良かった、気を付けて」
葵「ありがとう。またね」
貧血起こしてるのに、僕と話してたなんて、少しだけ申し訳無い気持ちも有りながら、
Aの為とはいえ、背中を押してくれた大西さんに感謝をして、
保健室のベッドの上で決意を決めた。
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ｷｰﾝｺｰﾝ…
あのまま寝てしまったらしい僕は、チャイムの音で目を覚ました。
蓮「授業終わったか、」
帰りのSTが少しだけあるけど、それに出る気分にはなれないから、終わるまで待つ事にした。
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少しして、STが終わったであろう時間に保健室を出て、
言われた通り演劇部の部室に行くと、既に四谷くんが真剣な面持ちで待っていた。
四「み、三村くん、
…呼び出してごめんね、来てくれてありがとう」
蓮「う、うん、大丈夫、」
あれ、四谷くんとどうやって話してたっけ。
話し方を忘れる程、お互いに緊張しているみたいだ。
四「えっと、その、呼び出したのはね、
…Aちゃんの事、なんだけど、、」
やっぱり、Aの事だよね。
でも、大西さんと約束したからには、決意したからには
ちゃんと向き合わないと。
そう思って、四谷くんの話に真剣に耳を傾けた。
四「三村くんね、きっと勘違いしてる。
僕は、Aちゃんと付き合ってないし、ただの友達だよ。
だからその、昨日のは友達として、頭を撫でただけで、抱きしめても無いし、
何より、Aちゃんの好きな人はずっと変わってないよ、」
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作者名：ぴゅかぴゅう | 作成日時：2020年5月10日 15時
