20時間目。 ページ42
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三村side
昨日、あの後そのまま無我夢中で走っていて、気付いたら土手まで来ていた。
でも、遠くの方に野郎組の皆が居て、
「あぁ〜！三村に先越されるとはなぁ〜」
「それな！ミムりん凄いよね！あの高橋さんだよ！？」
「俺らも負けないようにしないと！」
「てか、四谷、どうしたんだろうな？」
「なぁ〜？急に一緒に帰れないとかさー」
「忘れ物だけじゃなかったんだなー」
なんて、僕らの事を噂していて、
振られた僕には彼らと顔を合わせる勇気もなくて、その場からまた走り出した。
蓮「はぁ、疲れた…」
あの場からUターンをして、
土手を通らなくても帰れる、めちゃくちゃ遠回りの道をまた更に走って帰った。
食事も喉を通りそうにないから、今日はそのまま寝て、
シャワーも朝浴びればいいか、と着替えだけ済ませてベッドに沈み込んだところで、メーセージの通知を知らせる音ともにスマホが震えた。
返信する気にもなれないけど、
重要な要件だったら。
先程置いてきてしまったAに、もし何かあったんだとしたら。
…Aから何か来ていたんだとしたら。
なんて、振られたのにまだ心のどこかで少しだけ期待してしまっている僕は、
暫くは立ち直れないな、と他人事のように頭で考える程、
Aへの気持ちが膨らんでしまっていたみたいだ。
蓮「四谷くん、か、」
開いてみれば、今、1番考えたくなかった人。
親友とも呼べる大事な友人で、
自分の大切な幼馴染と幸せになるのだから、それを願わなければならない人。
でも、今の僕にはそんな良心持ち合わせる程の余裕はないし、会ったら何を言ってしまうか分からない。
…なのに。
彼からのメッセージは1番と言ってもいいほど、来て欲しくなかった、
"話がある"
という一言だった。
あぁ、Aと付き合ったという報告かな、
それとも自分が彼氏だから近付かないで欲しいっていう宣戦布告かな、。
と憂鬱な気分で、仕方なく開いてしまったトーク画面に、
分かった、とだけ返信をして、
これ以上は何も考えないように無理やり目を瞑った。
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(暫く、三村くんside続きます！)
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作者名：ぴゅかぴゅう | 作成日時：2020年5月10日 15時
