14時間目。 ページ30
.
蓮side
僕が体調を崩したのは金曜日。
次の日は休みだからとAが付きっきりで看病してくれたおかげで、
1日で熱も下がって、月曜日からは普通に学校に行った。
ただ、別の問題があった。
それは、
Aに対する感情が分からなくなってきた、ということだ。
金曜日、Aが家に来てすぐ寝てしまったけれど、
確かに僕は寂しいと思った気がする。
1度寝て、また起きて看病されてる時は頭がふわふわとしていて、覚えていなかったけど、
今になれば、寝ぼけた頭で、"可愛い"とも"好きだ"とも言った記憶もある。ような、、
何かの本で、
"無意識のうちに発したものはその人の本心だ"
って見たことがある気がする。
もし仮にそうだとしたら、僕はとんでもないことをしてしまった。
僕はAが恋愛感情で好き、？
じゃあAは？
幼馴染だと思っていたのは僕だけ、？
…いや、恋愛感情なのは僕だけが正しいのか。
これからどうやって接すればいい、？
こんな風に悶々と考えても、
恋なんて感情、僕には分からなくて。
考えれば考える程、羞恥と後悔の念でいっぱいになって。
そして、答えが出ないまま月曜日になってしまった。
朝、家を出れば、また鉢合わせになったA。
○「あ、蓮くん。おはよう」
蓮「っ、あ、えっと、、」
あれ、なんで。
Aと会った途端、急に真っ白になる脳内。
Aとどうやって話してたっけ、、
どんな風におはようの一言を発していたのかでさえ分からなくなって、
慌てて目を逸らしてしまった。
○「…？どうしたの、？まだ体調悪い？」
その問い掛けには首を振る事しか出来なかった。
○「、そっか。病み上がりなんだから、無理しちゃダメだよ？じゃあ、気をつけてね、！」
こうして心配してくれる所も、
様子がおかしいと気付いているはずなのに無理に聞いてこない所も、
Aなりの優しさで、その気遣いにキュンとした自分に気づいた。
…あ、そう言えば、じゃあ！と言った気がする。
ちゃんと看病してくれた事にお礼も言わなきゃならないし、何より僕が少しでもAと居たかったから、
Aに、今日も野郎組と一緒に行かないか、一刻も早くそう言おうと、必死に顔を上げた。
でも、とっくにAは早足で学校に向かっていて、
追い掛けようとする足も、口と同じように動かなかった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 178人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぴゅかぴゅう | 作成日時：2020年5月10日 15時
