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笑顔は何を思うのか、聞いてみても分からない。 ページ4

「おはよ、龍君。」

「ちぃちゃん、珍しいね、どうしたの?」


いつもは夜に来るちぃが朝に来たのだ。

朝は苦手なはずだが…


「今日は大丈夫なの、影にいればね。」


影は濃く、ちぃの姿が一瞬消えた様に見えて彼女は焦った。

女性らしい黒の髪が風で靡く、

バレッタで止めた緩く弧を描く美しい髪、

美人だが影に居るのが勿体無い、やはり影でしか生きていけないのが残念だ。

絵のモデルにしたいなぁ、と考えていた彼女にちぃは微笑む。


「記憶、戻った?」

「まだだよ。」


彼女はちぃにそっと近付く。

自分よりも小さいその身長に問いかけた。


「本当にどうしたんだちぃちゃ…」

「龍君、血吸わせて?」


(定期吸血の日か、忘れてた。)


「いいよ、あんまり飲みすぎないでね。」

「うん、いただきまーす。」


肩に噛みつかれ彼女は一瞬表情が眩む。

飲み終わるとちぃは満足そうに唇の血を拭った。


「龍君の血、美味しいんだよ。」

「飲んだことないし…そんなに美味しいのか?」

「うん、人間が食べる物はあんまり美味しくないから嫌いだけど…
龍君は好きだよ、美味しいから。」


"血液愛好者(ブラッドヴァンパイア)、ちぃ"。

ちぃはこの組織の中でも謎の多い者だ、

彼女はクラウンに言われた事を思い出す。


「あんま血あげ過ぎんなよ、吸血鬼はそこから取り憑くからな。」


ちぃは影を辿り屋根裏へと上がる。

ちぃの部屋は屋根裏で他数名と暮らしていると聞いた。

彼女は先程噛まれて血が出ている傷口を包帯で適当に処置した。


(包帯使いすぎたな…今週怪我してばっかだったし、医務室に取りに行くか。)


彼女は赤くなったシャツを脱ぐ。

替えのシャツを着終わったところでドアが開いた。


「うわぁ!?」

「うお!?着替えてたか!?すまん!」

「いや、吃驚しただけだよお兄さん。」


クラウンは謝りながら入ってくる、手には見慣れた物が入っていた。


「眼帯と包帯じゃん、どうしたのそれ。」

「龍巳に届けろって言われた。」

「サド医者に?あいつが優しくなるのちょっと怖いな…」


クラウンは確かに、と苦笑する

彼女は眼帯を付けて包帯を棚に置く。

これで暫くは大丈夫そうだ。


「で?他は?」

「仕事。」

「…」


龍巳は書類を手に取ると嫌そうに見る。

著名な政治家、その秘書、部下数名…

彼女はやはり、仕事が嫌いだった。

その医者はニタニタ笑うがそこには壊れた人形しか居ない。→←軍警は何かを見たが何を見たかは定かではない。



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龍巳@キチガイ - 一部名前を変えている方もいらっしゃいます、コメント欄で名前を晒すのも止めて下さい。中傷、無断転載も同様です。ルールを守って下さいね。 (2016年10月7日 22時) (レス) id: 3d3a9ea8a1 (このIDを非表示/違反報告)
龍巳@キチガイ - 感想はこちらのコメント欄にてお願いします、TwitterのIDを載せたりするのは絶対にやめて下さい、評価は星とTwitterのふぁぼでお願いします。 (2016年10月7日 22時) (レス) id: 3d3a9ea8a1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:龍巳@キチガイ | 作者ホームページ:ホームページの追加は禁じます。  
作成日時:2016年10月6日 22時

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