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丘の上の彗星は二つ流れて消え失せる。 ページ24

「綺菜孤さん。」

「おっ、来たね!手なんか繋いじゃってお熱いこと。」


アストの顔が一気に赤くなった。

彼女は依然クソ真面目な顔でクエスチョンマークを浮かべている。


「見てみな?あれが彗星だ。」

「彗星…」

「『龍の子と青い鳥よ、羽搏いて彗星を掴み月に身を投じれば何かを救うであろう。』
知らない?こういう昔話。」

「聞いたことないっすね…龍の子と青い鳥?」

「『神獣、龍と守り神の青き鳥よ、愛し互いを知ればその手に其れを掴めよう。』
さ、行ってらっしゃい!私は下で戦争でもしてるよ。」


綺菜孤は丘をさっさと降りていく。

天に続く丘は先が見えない。

二人は手を固く繋ぎ直し、進む。

風が吹いた気がした。


「アストは青い鳥で俺は龍の子か…昔話なんて興味無かったんだけどな…」

「私もだよ、でも何で私達が出てきたのかな…」

「…『結ばれた運命は片時も離れる事はない、離れし時世界の終わりを示す。』」


するりと其れは出てきた。

アストは驚いたように彼女を見る。

実際一番驚いていたのは彼女だが。

忘れているだけで記憶はある。

運命とは、時に残酷なもので形を変えてしまう。

昔誰かがそるな事を言っていた。

丘の下では戦争が続いている。

二人に戦争の轟音は聞こえていない。

静かに、静かに。


「あれかな?」

「奇麗…」


白とも青とも言い難い不思議な色の水晶のようなものが浮いている。

正真正銘、其れは彗星であった。

彗星は試すように光り輝く。


「これを持って、月に突っ込む。」

「どうやって?」

「簡単だよ、もう分かってるから。」


龍巳はそう言うと、優しく微笑み翼を広げた。

藍色の、堕天した羽だった。

その光は終焉?→←戦争を続けて二人は影からどこかへ消える。



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龍巳@キチガイ - 一部名前を変えている方もいらっしゃいます、コメント欄で名前を晒すのも止めて下さい。中傷、無断転載も同様です。ルールを守って下さいね。 (2016年10月7日 22時) (レス) id: 3d3a9ea8a1 (このIDを非表示/違反報告)
龍巳@キチガイ - 感想はこちらのコメント欄にてお願いします、TwitterのIDを載せたりするのは絶対にやめて下さい、評価は星とTwitterのふぁぼでお願いします。 (2016年10月7日 22時) (レス) id: 3d3a9ea8a1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:龍巳@キチガイ | 作者ホームページ:ホームページの追加は禁じます。  
作成日時:2016年10月6日 22時

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