検索窓
今日:7 hit、昨日:34 hit、合計:7,081 hit

人影と悪魔と死神、3人は戦争を見詰める。 ページ19

「ねーねー、そこの君。」


後ろをチラリと見るとニッコリと笑ったキルティアが人影を見ていた。

人影はくるりと振り返り言った。


「私の事?」

「そーそ!君って"人影喰種(シャドーグール)"の上技見麗子さんだよね?」


麗子はハッと思い出す。


(指名手配の…人間狩りか…)


その名を思い出すと笑いが込み上げてきた。

強敵と戦える、と考えただけでも喜が背筋をゾクゾクと駆け巡った。

其れを感じ取ったキルティアも顔を歪めた。

その光景を隠れ見る彼女は溜め息を吐いた。


(おっと、つい癖が…)


直ぐ溜め息を吐いてしまう彼女の悪い癖だ。

昔あの子に「溜め息吐くと幸せが逃げるよ。」と言われたのを思い出す。

幸せとは掛け離れた存在になってしまったのでもう気にしていない。

律儀に気にしていた時が懐かしい。


「きひゃひゃっ!たつみぃん、其処で何してるの?」

「隠れてても分かるからねー?」


(面倒な奴等だ。)


隠れていた木陰から出ると2人は嬉しそうに笑った。

間違いない戦闘フラグに彼女は後悔をする。


(直ぐに帰れば良かった…)


時すでに遅し。

キルティアに手を引かれ崖に3人突っ立っていた。

彼女は欠伸を垂らし2人を睨んだ。


「ぴゃっ!死神ちゃん嫌そうな顔しても無駄だよ。」

「戦いっこしーましょ。」

「…とっとと戦争を見に行きたいんだけど。」


3人の視線がぶつかる。

遠くで轟音と共に断末魔が響く。


「戦争は始まってるんだよ、邪魔しに行けって言われたの、行かしてくれない?」

「つまんないよー!」

「きひゃひゃひゃ!!相変わらずたつみんは組織のボスさんに好かれてるね!」


嫌なお世辞に顔を顰める。

強行突破も考えたが2vs1じゃ勝ち目は無い。

この2人は強いから。

彼女は溜め息を吐いて鎌を振り上げた。


「は?」

「えっ、」


ガラガラと音を立てて崩れる崖。

彼女はその隙に姿を眩ます。

キルティアと麗子は残念そうだったが直ぐに武器を構える。

そして、刃物がぶつかり合う音が響く。

綻んだホットミルクと蜂蜜が落ちる。→←その写真には3人が映っていた。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.2/10 (11 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
3人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

龍巳@キチガイ - 一部名前を変えている方もいらっしゃいます、コメント欄で名前を晒すのも止めて下さい。中傷、無断転載も同様です。ルールを守って下さいね。 (2016年10月7日 22時) (レス) id: 3d3a9ea8a1 (このIDを非表示/違反報告)
龍巳@キチガイ - 感想はこちらのコメント欄にてお願いします、TwitterのIDを載せたりするのは絶対にやめて下さい、評価は星とTwitterのふぁぼでお願いします。 (2016年10月7日 22時) (レス) id: 3d3a9ea8a1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:龍巳@キチガイ | 作者ホームページ:ホームページの追加は禁じます。  
作成日時:2016年10月6日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。