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彼女はいつも少しだけ後ろを歩く。
A「どこ目指してるの?」
「公園!スッゲー広い公園でさぁー…」
A「亀が日向ぼっこしてて、癒されるよねー。」
ニコニコと遠い目をしながら答えた彼女の返答に驚いて思わず声を上げた。
「しってんの?!」
なんだか拍子抜けした。
「知ってるよ!この辺で一番大きな公園だもん。そういえば西島くんって家どの辺りなの?」
たしかに話してなかったと思い、高校入学と共に引っ越してきた事を話すと
A「そうだったんだ!どおりで最寄駅同じなのに知らない筈だよー。」
と笑った。
「しかし、Aちゃんから遅刻しようなんてどういう風の吹き回し?笑」
まさかこんな事になろうとは想定外もいいとこで、彼女の真意が気になった。
A「いつも真面目にしててつまんないから、西島くんと最後の思い出作りしようかなって笑」
彼女の感情が身体に巡るのを感じて、体温が一気に上がった。
思わず振り返って見ると目頭がほんのりと赤らんでいるのが分かって…
彼女が俺との別れをどのくらい辛く思ってくれているかを悟った。
「そう言われると少し悲しくなっちゃうじゃん。」
出来る限り感情を込めずに言ったつもりだったのに…
俺の発した声は、心なしか泣いているように聞こえた。
話をしながら公園をゆっくり歩いて比較的日当たりの良いベンチに腰掛けてホッと一息つくと、彼女が堰を切ったように質問をぶつけてきた。
A「西島くんて、彼女がいっぱいいるの?」
不安げな表情を浮かべ、恋愛を知らない中学生のような事を聞く彼女に思わず笑ってしまった。
「あははははっ笑 Aちゃん!すごい事言うねぇ笑」
ほんと、真っ直ぐ生きてきたんだろうな。
A「否定しないって事は間違ってないの?」
「さて、どうでしょう笑」
彼女に俺はどう映ってる?
A「はぁ…。」
ため息と共にむくれた頰が可愛い。怒ってるんだって思ったら尚更可愛くて、もっと怒らせてみたくなる。
「どれを見たのかなぁ笑 ありすぎてわかんねぇや笑 まず、特定の彼女は居ないよ〜。」
すぐさま彼女の表情の変化を伺った。
A「特定のって…!!」
次は一気に哀しい顔をして俺を遠ざけるような空気を作るから、慌てて取り繕った。
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nikiki(プロフ) - あっ、見えない原因が多分分かりました笑 ありがとうございます (2020年4月26日 15時) (レス) id: f8ae1d9c82 (このIDを非表示/違反報告)
Ika2424(プロフ) - nikikiさん» コメントのお返事遅くなり申し訳ありません泣 3なのですがフラグが立ってしまいまして18歳未満は観覧出来なくなってしまいました…折角読んで頂いているのに申し訳ない次第です!18歳以上で御座いましたらそのままご覧頂けるかと思います(o^^o) (2020年4月26日 2時) (レス) id: 97f9b005f0 (このIDを非表示/違反報告)
nikiki(プロフ) - 失礼ですが、どこで3を読めるですか?続きすごく気になります!ありがとうございます。 (2020年4月25日 5時) (レス) id: f8ae1d9c82 (このIDを非表示/違反報告)
nikiki(プロフ) - 初めまして、ストーリー見つけてハマっちゃって一気1と2も読みました。2人の恋、大人になって生活環境変わっても変わらずで居るのに、互いに届けてなくてこっちまで胸ギュッて悲しくなりました。素敵なストーリーありがとうございます。 (2020年4月25日 5時) (レス) id: f8ae1d9c82 (このIDを非表示/違反報告)
Ika2424(プロフ) - てんさん» こんなノロノロ更新に飽きずに見て下さってありがとうございます!何だか手違いで書いたものが消えたりとトラブってました汗)恋って楽しいけど苦しいですよね。2人がどんな選択をするのかたのしみにしていて下さい(^人^) (2019年7月1日 0時) (レス) id: 832d371e00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Ika2424 | 作成日時:2019年4月7日 8時