疑似恋愛カップルの日常【実話】 (ページ5)

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4.人の唇、見過ぎじゃない？ページ5

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机を班にすると、さっき起こしてくれた子が目の前の席になった。

さっきの自己紹介で知ったが、ハナというらしい。

はつらつとした印象の、明るい女の子、という感じだ。

なにはともあれ絶賛人見知り発動中の私は、特に話すこともなく黙々とお弁当を胃におさめていく。

あ、この卵焼き美味しい。母、グッジョブ。

そう好き勝手に食べていると、なぜか目の前から熱視線を感じた。

もしかして、めっちゃみてる、、、よね？

視線を上げると、目が合う。相手が微笑む。なんだ、この状況。

そんな謎のやり取りを何回か繰り返した後、耐えきれず、自分から口を開いた。

『あの、、なんか私の顔についてます？』

ハナ「え、そんな見てた？？ごめんごめん！！なんもついてないよ！！

ただ、なんか唇が可愛いなーって思って。」

『、、、、、、、、、、、、、、はぁ？』

何を言っているんだこいつは。

人が食べているところをそんなに見るんじゃない。おい、やめろ、食べにくい。

初対面で、唇が可愛いとか言うか？普通。

疑問しか浮かばなくてぼーっとしていると、聞こえていないと思ったのか、

ご丁寧にも静かな教室内に響き渡る大きな声でもう一度言ってくれやがった。

ハナ「だからー、あくびちゃんのくちびる！！食べてるときに、不思議な動きしててかわいい。」

『うん、静かにしよっか？？？聞こえてるからね？？私ここにいるからそんな大声しないでも

いいのよ？？？』

念の為言っておこう。私は朝から気分がどん底だったのだ。

だから、初対面なのに多少あたりが強くなってしまったが、
もう一度言おう、気分がどん底だったのだ。

その上、朝はクラスメイトの前で注目を浴びながら起こされるという所業をやってのけたばかり。

これ以上、目立ちたくない。

話さないとまた大声を出しかねないとみた私は、しぶしぶハナと話すことにした。

『、、、なんでくちびる？』

ハナ「かわいいから。ずっと見てたい。」

『変態か。やめてくれ。』

「えーかわいいのに」

これが、私とハナの初めての会話だった。

第一印象はまあ、あまり良くなかった。

自分と違ってパリピ系で、クラスの中心にいるような子。

面倒なことになると嫌なので、距離をおきたい。

そんな私の願いはあっという間に散り、このあと散々付きまとわれ、好きと言われ、、、

見事に私は陥落するのだが、それはもうちょっとあとの話。

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