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2羽 ページ2

「こーくん、こーくん」

イチゴ・オレを傾けながら、余った片手でスマホをチマチマといじる。
片手で操作するとか器用な事してんなぁ、と思いながら軽く相槌を入れる。
関係無いが、奴のスマホはシリコン性のウサギカバーがされている。可愛いパステルピンクの。
「んー?」
「荷物重そうだけど」
軽く頭を傾けた後、イチゴオレを喉に通してから言葉をまたつなげた。
「置いて来なかったの?」
置いてくる。とは多分おき勉の事を指してるのだろう。
うちのクラスは火曜日は副教科が多めで、やる教科のダブりがない。
なのに総合や道徳等の、教科書要らない勢の授業が入ってない為自然と荷物が多めになる。
だから月曜に宿題で要る教科以外置いて帰るのが賢いやり方なのだろう。
でもまぁ、まだ今日は進級して二週間ちょいである。
ようやく進級のアレコレや入学の諸々の行事が終わり通常ルートに乗り始めた、そんな時期だ。
まだ副教科で埋った火曜を体験していないので、一度味わないと覚えない奴は今日地獄を見る事になっている。
俺もその中の一人であった。正直肩もげそう。
「…、あーあれ、たまには筋トレとかもしないといけないじゃんか?」
考えてなかったって言う真実を伝えるのも癪だ。あと、コイツが事前に賢く動いて楽してるって言う事実も癪だ。
と言う事で、適当にすぐにバレるであろう嘘を紡ぐ。
すると琥珀は、ふーん。まぁ確かにひょろっこそうだもんね。と失礼な事を抜かした上に、反論しようとした瞬間にツムツムがフィーバー入ったとかで、話しかけるなとか言いやがったから、脇腹をつついてやった。
「わっちょっ!!!」
既に空になっていた紙パックが衝撃で落ち、少しお洒落なタイル状にしかれた二色のコンクリートの地面に落下に跳ねる。
慌ててそれを拾ってる間に、フィーバーとやらは終わっていた。と言うか、ゲーム自体時間切れしてた。
「あ“ぁ“っ〜!!もうっ、くっそっ!!今週のハイスコアいきそうだったのにっ」
ゲームプレイ後の音声が流れ、顔色を変えてスマホ見た琥珀が拗ねたような口調で言う。ざまぁ。
「そもそも歩きスマホすんなよ。マナー悪いな」
「うー、それ言われたら特に返す言葉無いんだよなぁ…」
正論だが、少し私念の混ざったお叱りを受け。なんとも言えない気持ちになりながらピンクのウサギをカバンに仕舞う。
スマホ仕舞うからこれ持ってて、と渡されたイチゴオレの空をスマホ閉まってる奴を尻目に近くのゴミ箱に放り投げた。
「こーくんもマナー悪いじゃん…」
「入ってるからノーカン。あと歩きスマホは今や社会問題規模の話だから」

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作者名:初夏卵 | 作成日時:2019年2月27日 21時

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