た す け て よ

38 ページ40

ころんside






『僕神様褒めたたえてないんだけど最近いい事あったんですよねー』




嫌味たらしく言う僕


この世の終わりの時にするであろう表情をしてるA








「お姉さん俺たちの担当になったって知ってる？」





エレベーターの入口らへんにいるなーくんが言う





「あれって本当だったんですか」






「うん」








『ため息ばっかりだと幸せどっか行っちゃうよー』




エレベーターに乗ってから何回ため息をついたのか分からないAに話しかける









ちーん









「しゅうたくん！！」







エレベーターの前で待ち構えてる彼を見てまーた嬉しそうに彼の方に歩いていくA









「Aちゃんいらっしゃい！すとぷりさんもありがとうございます。」







仕事もできる

顔もいい

性格もいい





モテる男の三原則の事はあんまり分からないけど多分モテるんだろうな









『お姉さんは僕達の担当でしょ？案内して！』






さっきまでの笑顔が消え去った瞬間だった







仕事と私情を分けれていない









『僕迷子になるから手貸して！』






Aを困らせることしか出来ない。性格が良いなんて絶対に言えない








顔だってしゅうたくんに負けている









勝てるところなんてないと思うじゃん？








『僕の方がAのこと知ってるんだよ』






「はい？」







僕に繋がれた手をどうにか離そうと手をぶんぶん振ってたせいか僕の声なんて耳に入ってなくて


離そうとしながら僕になんて言ったか聞いてくる









『んー？何もないよー』






『てか道こっち？？』







目の前に会議室Bと書いてあるのが見えるにも関わらずわざと反対方向に歩き出す僕






「こっちです」そう言って僕の手を引いてくれる









それだけで頬が緩んでいる僕は恐らく単純だ

39→←37

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す