たすけてよ (ページ33)

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るぅとside

『お姉さんぼくよっぱらってきましたぁ！！』

全然酔ってない僕が言った一言

「山田さん！お水です！！お酒はもうだめです！！」

「平野さん！！こっちです！ここなら横になっても大丈夫ですよー」

酔っ払いのお世話をしているA

2人きりで話す環境を作るには演技をするしか無かった

「もう！るぅちゃんしっかりしてよ！！」

「だから！！飲みすぎだって！！」

「ばーかもうほらここ！！お家だよ！！」

お酒を飲まされて酔った僕を毎回看病してくれるA
はもういないの？

僕が飲まされそうになったらとめてくれるAはもういないの？

別に看病して欲しいわけじゃない

飲まされそうになったのを止めて欲しいわけじゃない

ただ僕の隣でにこにこしてるAを取り戻したいだけなんだよ

僕のことならなんでも分かるAなら僕の考えてることも分かってるでしょ？

「るぅとさんお水ですよ」

そういってコップを僕に差し出すA

どうしてそんなに他人を演じれるの

僕はこんなに必死なのに

『A』

近くにいるAだけにしか聞こえない声で名前を呼ぶと目を丸くしてびっくりするA

「るぅとさんお水です飲んでください」

『僕あれがいいです！！』

お水が入ったコップを差し出すAを無視してお酒を指さす

「だめです！！明日体調悪くなっちゃいますよ！」

「とりあえずお水飲んでください！！」

「お酒じゃなくてジュースにしません？」

わがままを言う僕を必死で説得してる

『Aが帰ってくるんだったらお酒なんていらないんだよ？』

耳元で呟く僕に対して

お酒持ってきますと言ってお酒がある方向に歩いていくA

『あーあ』