Sugar Rush６[Shori.S]

#152 ページ2

”沙絵”






あの人が沙絵さん……







まさか あの "沙絵さん” が目の前に現れると思わなくて、


ビックリして逃げるように2人から離れてきた私。







モール内をぶらぶらしながら 私の頭の中から”沙絵”さんが離れない。









みんなが言ってた通り、私に似てた。









勝利くんが好きだった沙絵さん。




聡が私に隠した沙絵さん。







あの2人から最初に愛されていた人。







私は、沙絵さんに似てるから 2人に選ばれたんだ。







私はただ、沙絵さんに似てただけだから…







喉の奥が熱くなるのがわかる。








今、久しぶりに再会した勝利くんと沙絵さんは、どんな会話してるんだろ。





気になって仕方がないよ。









勝利くんの気持ちが、沙絵さんへ行ってしまったらどうしよう……







だって パッと見似てるけど、大人っぽくて、落ち着いた雰囲気で私とは全く違う気がするから。







2人を残して逃げてきた事を今更 後悔。








ずっとモヤモヤしながらウロウロしていると






♪〜






携帯が鳴り出した。








あ、勝利くん……






勝〈あ、もしもし？今どこ？〉




《今ね、1階のスポーツ用品店前だよ》





勝〈わかった、すぐ行くから 待ってて〉









何事もなかったかの様な 勝利くんの声にちょっとだけ安心した。









言われた通り待っていると、前方から現れた彼を、

人混みの中でも すぐに見つけられた。









勝「ひとりにしてごめん」




彼の一言に胸がぎゅーっと締め付けられる。






こんな彼の優しさが、不安に思っていた私の胸に沁みるよ。






『ううん 大丈夫。あの人が 沙絵さん、なんでしょ？』



私がこういうと、スッと手をとり




勝「そう、沙絵だよ。...Aありがとう。あいつと話せて良かった」







"大丈夫だから"と言わんばかりに手を握ってきた。




そんな風に言われちゃうと、不安に思ってる自分が嫌になるよ…






『なら良かった！』




良かったと言いながらも 中々モヤモヤが消えない。






勝「あ、なんか買ったの？」




彼は、私が手に持っていた紙袋を見て聞いてきた。





『うん ちょっと可愛い小物見つけて』






勝「そっか。じゃあ 俺も聡の誕プレ選ぼうかな？」

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