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滑走47 ページ7

会場が、重かった。


試合を見られる、と思い軽い足取りで踏み入れたそこは、軽い気持ちだと吹っ飛ばされそうで。


混ざり合うプレッシャーや期待の渦が、無関係な俺にも襲いかかっているようで、一歩、足を引いてしまった。


「引いてんじゃねーぞ」


「……岩泉さん」


俺の背中に手を当てて、ぐっと前を向く岩泉さんの目も、コートに立つ名も知らない選手たちを見据えていた。


春高バレーは、知名度の高い大会だ。


中学の頃の全国とは比べ物にならないほどのファンやマスコミがいて。


震えた。


「お前、こんなんを中学の時に経験したのかよ?」


金田一はよほど衝撃だったのか、口角が少し上がっていた。


「そりゃあすごかったよ。…けど、ここまでじゃなかった」


こんな中で、



「ーーッ」



いつもとは比べ物にならないほどの視線、関係のない第三者から向けられるためらいのない期待と批判。


そんな中で、俺たちは明日バレーをするのだ。


相手に勝たなければいけないのだ。



「……ゾクゾクするな」


「変態かよ」



感じたものは、興奮、高揚、期待。


自分はどこまでこの中でできるのか、自分たちはどこまでできるのか。


気持ちはマックスで、もう、止まらない。



「すげぇ、楽しみ」

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作者名:ことり x他1人 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2016年8月23日 20時

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