1番星

話し合い ページ9

深澤「そうだよな。14歳の子にこんなこと言わせてごめん。一回話し合おうぜ。」



渡辺「じゃあこの際だからはっきり言っていい？俺はお前が嫌い。女子なんて足手纏いなだけ。

ダンス歴もなくて歌も自信がない。

しかも入所してまだ２ヶ月しかたってないやつにデビュー語られてもおかしすぎて笑っちゃう。

マジで舐めんなよ。」



宮舘「翔太！言い過ぎだって。」



渡辺「なんでだよ。本当のこと言っただけだろ。」



宮舘「実は俺もそう思ってた。こんな子ども足手纏いになるだけだって。

でも、誰よりもグループのことを考えてくれてる。

デビューのことを誰よりも考えて、グループのために行動してくれて。

年上にこうやって自分の意見を言うって相当怖かったと思うし、俺が14歳の時はそんなしっかりした意見を持っていられなかったと思うから、桜庭の行動に尊敬した。

桜庭の言う通り何も知ろうとしてなかった。ごめんなさい。」



深澤「俺も最年長なのに何も行動できなかった。

せっかくできたグループなのに、また無くなっちゃうんじゃないかと思うと、怖くて不安で、何か言って関係性が悪くなるのが嫌で、それだったらこのままの関係でいられる方がいいんじゃないかって楽な道を選んでしまった。

ごめん。」



『岩本さんは？何か言いたいことがあればなんでも言ってください。』



岩本「俺は翔太と同じで男6人でやって行きたい。

これからもアクロバットして行きたいし、女子がいるだけでパフォーマンスの幅が狭まるのが嫌だ。」



佐久間「俺はAのダンス好きだよ。

ダンス未経験とは思えないほどの上達ぶりで、Aのダンスを見た時に鳥肌が立った。

人一倍努力してるの見てるから、Aのせいでパフォーマンスが落ちるなんて言わないであげてほしい。」



渡辺「こいつチビだから、並んだ時にバランス悪いし、ダンスにしてもアクロバットにしても歌にしても、全部悪目立ちすると思う。」



こんなふうに思われてたんだ。私が居ない方がいいのかな。



前のグループでもこの6人は一緒みたいだったし、この6人の輪を乱しているのは私じゃん。



こんなに張り切ってデビューについての話し合いを始めたけど、邪魔者じゃん、私。



佐久間くんや阿部くんも本当は私のこと必要ないと思ってるかもしれない。


そう考えると、この場から今すぐ逃げ出したくなった。


込み上げてくる涙が落ちないように必死に我慢するので精一杯だった。
　

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