実銃 ページ9
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護身術、空手、弓道、剣道、射撃。
「いずれは全部極めて欲しいけど、取り敢えずまずはひとつ選んで。それから始めよう」
そう言われて選んだ射撃だけど。
だって思わないでしょ。想像もしないでしょ。
「なんで実銃!?」
「え?嬉しくないの?」
「嬉しいです!でもそういう問題じゃありません!」
「まあまあ。エアガンじゃ呪霊は殺せないしさ。で、リクエストに応えたけどそれで平気?」
言われてテーブルに並んだ銃たちを見る。
ワルサーP99、グロック17、SIG226、Cz75、XDM
確かにこれを使いたいと言った銃が揃っていて、どこからどうやって取り寄せたのかは兎も角テンションが上がった。
ソワソワしながら先生を見上げれば、揶揄うようにどうぞと促される。
初めに手を伸ばしたのはワルサーP99。
「おお〜…!」
「どれもオートマ?まあ普通はそっか」
「基本20cm未満にしてます。実を言うとS&W M500とかコルトパイソンとか使ってみたかったけど…弾数とか撃つまでのアクションとか考えるとちょっと」
「そんなの使ったらA反動でぶっ飛んじゃうでしょ」
「だからやめたんでしょ!」
相も変わらず飛んでくる揶揄いの言葉を叩き落とし、だだっ広い校庭に置かれた的に照準を合わせて構える。
ーーあ、懐かしい
出てきた感想がそれだったのは、射撃をやっていたのは中学の部活動での話だから。
習い事とかでもなく、ただ好きだからやっていた。
ダァンッと重く鋭い音が響いて、的が真っ二つに割れる。
「へぇえ凄いね!まさか1発目から当ててくるとは思わなかったよ」
「でもやっぱ思ったより反動ありますね。慣れないと」
ぐるりと肩を回して言えば、五条先生は充分だよと頷きながら何かを考えるように指先を顎に添える。
並ぶ銃たちのグリップを握って感触を確かめていたら、明るい声が耳を打った。
「よし!銃に関しては自分でやってくれたら良いや!」
「はい?」
「僕ね、これから仙台行かなきゃいけないのよ。恵が特級呪物無いとか言うからさぁ」
「はあ」
「その間はあの子達に扱いてもらいな」
あの子達?と首を傾げる俺の前で、先生は俺の背後を指差して見せる。
それに従ってくるりと振り向けば、そこには3人…2人と一頭が。
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作者名:瑠璃烏 | 作成日時:2021年4月29日 19時