呪術甲子園 ページ41
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「おっ?なになにA、イメチェン?」
「いや、目は大事にしなきゃなって」
「あははっ、良いじゃん。似合うよ」
「からかってんじゃん…」
ニヤニヤと笑みを浮かべる担任教師を睨め付けて、ずり落ちかけるサングラスを持ち上げる。
野球のルールは悠仁と釘崎の熱血指導によって完璧にマスターした。
でもやっぱ球は怖いしピッチャーもキャッチャーもバッターもムリだけど。やりたくないけど。
「ね〜え!誰か代わってよマジで無理!ほんと無理だから!足手纏いになるだけだからぁ!」
「うるせぇぞ!根性見せろA!」
「精神論なんて嫌いです!!」
ギャーギャー喚きつつバットを握り直してガタガタ震えながらピッチャー(真依さん)を見る。
振りかぶって
投げられた球は
「あ"あぁあーーっ!!無理だってばぁ!!」
案の定、キャッチャーのグローブの中へ収まった。
「オイふざけてんのか一色ィ!振んなきゃ当たんねえよ!」
「それ野球初めてやる人の目ぇ見て言えんの!?」
「言えるに決まってんでしょ!」
「無情!!」
ーーー
「あ〜楽しかった」
「オマエ打席全部他の人に代わって貰ってただろ…」
スッキリした心持ちで言ったというのに恵がボソリと零すからうるせぇと念を込めて視線を遣れば顔を逸らされた。
「あははっ、でも良かったじゃん。楽しめたならさ」
「悠仁ホントに優しいよな〜。見習えよ恵ィ」
「サングラスで名前の最後伸ばすのヤメロ。五条先生っぽい」
そう言って盛大に顔を顰める恵に爆笑しながらサングラスを外してポケットに引っ掛ける。
個人的には五条先生のこと大好きなので何を嫌がってるのか微妙に分からないけど
どうやら恵と先生はかなり前からの付き合いらしいから分からない事もあって当然だろう。
呪霊と戦う、いつ死ぬか分からない自分達。
まるでその肩書きが無くなったかのような1日だった。
そんな事を頭の片隅で考えながらスマホで時間を確認して、あっと声を上げる。
「悪い2人とも。これから約束あるんだ」
「え?出掛けんの?」
「違う違う。外国に従兄弟いんだけど、話す約束してたんだよ」
「へえ!んじゃ明日な、おやすみ〜」
「あんま夜更かしすんなよ。おやすみ」
2人におやすみと挨拶を返して自室へと急いだ。
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作者名:瑠璃烏 | 作成日時:2021年4月29日 19時