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どうする?続ける? ページ40

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「ああ、来たな」


「A、目は大丈夫そう?」


「はい。問題ないです」


「こっちよ。ほら、ここ掴まってなさい」



学長と先生に答えながら悠仁と釘崎に片手ずつ引っ張られて恵に背中を支えられ、階段の手摺りに右手を置いた。

礼を言って手摺りに寄り掛かるとパンダ先輩達が近付いてくる気配を感じて、空気の揺らぐ方へと顔を向ける。



「どうした?目怪我したのか」


「ああいや。今日一日は目に刺激が無い方が良いだろうって家入さんに」


「…思い出すな。何か色々」

「しゃけ…」

「うぅ〜む」



微妙な反応をする3人を怪訝に思いながらも東京校 京都校が一堂に会した事で話が始まり、耳へ意識を集中させる。


まあ要するに。

色々あったし人死にも出ているけれど、交流会を続けるか否か。

という議論である。


俺は正直どっちでも良い。

個人戦で誰と当たるのか分からないけど、同世代の人に対して自分の力がどれだけか知る機会にもなるし。


そんな事を考えながら手摺りにグデーンと寄り掛かった時、東堂が口火を切った。



「当然。続けるに決まっているだろう」


「東堂!」


「その心は?」


「1つ。故人を偲ぶのは当人と縁のある者の特権だ。俺達が立ち入る問題ではない」



突然だけどナルホドと思わざるを得ない。



「2つ。人死にが出たのならば尚更俺達に求められるのは強くなることだ」



ーー後天的強さとは"結果"の積み重ね。敗北を噛み締め勝利を味わう、そうやって俺達は成長する。

"結果"は"結果"としてある事が1番重要なんだ。


うん、すごく名言っぽいぞ。言ってるのが東堂だからアレだけど。



「3つ。学生時代の不完全燃焼は死ぬまで尾を引くものだからな」


「オマエいくつだよ」



思わず「それな」と呟いて、隣にいるであろう恵へ視線を向ける。



「俺は構わないですよ」

「どーせ勝つしね」

「じゃあ俺も」


「屁理屈だが一理ある」

「加茂君は休んだら?」


「異議なーし」

「しゃけ〜」

「個人戦の組み合わせはくじ引きか?」



そんなこんなで話が纏まりかけた時。



「え。今年は個人戦やんないよ」



……うん。


先生ってそういう人だよね。









「ねぇどうしよ、俺野球やった事ない」

「はあ?」

「マジで!?」

「何ならやった事あんのよ」

「テニスとかゴルフとか…あとサッカーは観るの好き」

「貴族かオマエは!」



その日の午後は野球講座に費やされたのであった。


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作者名:瑠璃烏 | 作成日時:2021年4月29日 19時

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