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検分 ページ3

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「恵〜!あれっ?どこ行くの」


「前に話した奴から連絡があったんで」


「おお〜っ。で、何だって?」



ワクワクした様子で尋ねる五条先生にスマホの画面を向ける。

さらりと目を通したらしい先生はニンマリと笑って頷いた。


『高専、俺も行きたい』


ただそれだけが書かれた短い文面。



「じゃあ僕も一緒に行こっかな!」


「はあ?何でですか」


「検分だよ検分。学長のとこに連れてく価値があるのか見るの」



そう言われてしまうと何を言い返せる訳も無く。

会って話したいと連絡するとすぐに返事が帰ってきて、明日と明後日は特に何も無いと言う。

先生とも話して時間を決め、期待半分、不安半分でその日を待った。









ーーー









「兄さーん」



真面目に机へ向かっていたら部屋の扉が開いて、振り返ってヘッドホンを外した。



「伏黒さん?だって」


「ああ、伏黒くんか。ありがと」


「知り合い?」


「あの化物から助けてくれたの伏黒くんだよ」



相当驚いた顔をする要に笑って、玄関まで急いだ。

鍵を開けて扉を開いた瞬間、目に入ったのは黒い布地。パチクリと瞬いて少し上を向くと、何やら目隠しをした長身の男性だった。



「よう」


「え、あ、おう。こちらは?」


「五条先生。俺の担任」


「初めまして〜、五条悟だよ。君が一色くん?」


「はい。初めまして、一色Aです」



髪が白い…

てゆーか身長高すぎる。何センチだこの人


そんな事を考えていたのが分かったのか五条さんはクスリと笑った。

その音にハッとして扉を開き、2人を中へ通した。











「あ、お構いなく〜」



長い脚を持て余してソファに腰掛ける五条さんと伏黒くんにお茶を出して、俺も対面に腰掛ける。

迷わずティーカップに手を伸ばした五条さんは一口紅茶を飲み込んで、角砂糖をボチャボチャとカップに放りながら口を開いた。



「簡潔に言うとね、君を品定めしに来たの」


「品定め?」


「呪霊が見えたら誰でも良いって訳じゃないんだよ、呪術師は。学長の所まで連れてく価値が君にあるのか見に来たんだけど…」



そう言いながら五条さんが目隠しに手を掛け、ハッとするほど美しいその相貌を顕にする。

吸い込まれそうな蒼い青い瞳にジッと覗き込まれて、オロオロし始めた頃にようやく顔が離れた。

かと思えば彼はパッと笑う。



「いいね!」



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作者名:瑠璃烏 | 作成日時:2021年4月29日 19時

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