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｢この馬鹿者がっ！！｣
ガンダルフは怒りピピンのもとに向かったが−…、ピピンは放心状態だった。
ガンダルフのおかげでピピンは何とか正気を取り戻す。ピピンはこちらの事は何も話さなかったようだが−…、サウロンの企みを見ていた。
｢―…見ました！！木が…、木が燃えていた！−…真っ白な木が！！｣
｢白い木だと！？それはミアスティリスでは！！｣
アラゴルンが叫ぶ。
｢サウロンの次の狙いはそこじゃな…｣
ガンダルフはピピンを抱き起し、背中をさする。
｢この玉はパランティア…、もう一つはサウロンの元にあるのじゃ…。サウロンにこちらを探られたが…、ピピンは何も言わなかった｣
『―…うぐっ…』
ガンダルフが安堵する一方、Aは苦痛にうめき声を上げる。
｢A、お主その手は−…｣
よく見ると、先ほど玉を触れた左手は焼け爛れており、見るに痛々しい状態になっていた。
『オレには時間がありません、サウロンがいつオレを殺すか、機会をうかがっている…』
｢…触れたのじゃな？｣
｢A…、手を｣
ガンダルフは全てを察し、Aにそれ以上のことを問うことはしなかった。
レゴラスはAの左手に包帯を巻く。
『―…やつは、人間を恐れている。人間の底力を』
｢そうじゃ。サウロンは今回の戦で知ったはずじゃ…、人間の力を。
その人間たちが一つになるのを恐れておる。だからこそ「王」が不在のうちにミナスティリスを攻める気なのじゃ…｣
｢急がねばならんな…｣とガンダルフはセオデンの元へ向かった。
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作者名：Haru yama | 作成日時：2021年3月13日 18時
