【夏祭り】 ページ10
お祭り、フェスティバル!
「城下のお祭りに行きたい!」
子供たちは子供たちで行くらしいので私も誰か誘おうかな、とリヴァ…。
窓から飛び降りて私をキャッチした人と行こう、そうしようと…
落ちる、かなりの速さで。
このまま誰かにキャッチされなくてもいいかな、と思う…どうせ死なないし…。
「アホか!!」
クドがキャッチする、重いため息をついて…
「お祭り行きましょ」
「祭りぃ?あぁ…別にいいけどよ…まさかとは思うがその為だけに飛び降りた?」
「ビンゴ」
クドはリヴァを地面に下ろして
「マジかよ!もうやめてくれよ!」
後頭部をわしゃわしゃと掻き毟る。
「わかったわよ、あんまりわしゃわしゃすると禿げるわよ」
「禿げねぇよ!?」
並んで歩く石レンガの通路。
「俺、歩くの早くねぇ?大丈夫?」
気まずい、二人で話したことはあまり無かった。
嬢ちゃんは浴衣姿で俺は隊服、服が汚れたから着替えてくる、と言ったリヴァはまさか浴衣に着替えてくるなんて思いもしなかった。
「すまねぇな、こんな格好で…」
「じゃあ、まず服屋に寄りましょうか…もしかしたら浴衣残ってるかもだし」
「浴衣とか着たことねぇよ」
「大丈夫よ、私が着せてあげるから」
店に着くとリヴァは店員と話し込んで暫くして店員が男用の浴衣を持ってくる。
「そちらのお召し物は配達しますのでこちらで着替えてもらって構いませんよ」
と店員が言う。
「似合ってるか…?」
「似合ってる」
微笑むリヴァ、なんでお前の方が嬉しそうなんだよ。
「じゃあ、行こうか」
右手と左手を繋ぐ、離れないようにしっかりと。
流されるまま結婚した様なものだけど。
隣で穏やかに笑うリヴァを見て後悔はしてないんだなと思う自分がいる。
「私情で二人で城の外に出るのは初めてだな」
「言われてみればそうかもね、あぁねぇ的屋があるわ、やってみない?」
「おっ、いいねぇ…じゃあどっちがあの大きいぬいぐるみ取るか勝負しようぜ!」
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