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「全部壊してやるんだ!!!」
素手でも襲いかかってくる黄色い髪の男を空中で静止する。
「何か言い残すことは?」
「返せよ…僕達の家族を…っ!」
「らしくないな、リヴァよ」
イグニスがリヴァの手を掴む。
「らしくない…?」
「ああ、らしくないとも…」
黄色い髪の男を弾き飛ばすイグニス
「よもや、シルヴァが声を上げているのに見えていないわけがない?」
リヴァは我を忘れていたのかハッとした顔でシルヴァを探す
「そうだ…っ、良かった…っ」
シルヴァを抱き締めるリヴァ。
「大丈夫ですか…?リヴァ」
「許せなくて、あの子達が…っだって…っ」
混乱しているのだろう、もし殺されていたのが自分だけじゃなかったら…と考えて。
「あぁ、私なんてことを…っ」
「仕方ないんじゃないかな、彼等は」
ルカがそういうと
「仕方なくなんてないわ…っ!命を奪っておい仕方ないなんて!」
悲しそうに。
カツン、カツンと…。
音がする、何かが歩く音。
「そこに白紙の本があったとする。文字を綴りたければペンを取らねばならず、だがインクはない。それだけの事だ…、貴殿はペンで、我らはインクか…。」
道端に、ただ産まれたのが道端というだけで踏まれる雑草のように。
「この物語は駄作に過ぎない、本など著者の夢物語、自己満足に過ぎない。」
ブツブツと、独り言をこぼすように。
「でもでも、お父様はそういうお話が好きだったんデショ?」
お父様と呼ばれた男は椅子に座ると足を組み、退屈そうに笑う。
「そうだ、人が姫が王子とハッピーエンドを迎えた先が気にならないように。我らはその終わりの先に興味が無い、その先が 幸せに暮らそうが不幸になろうが我らには関係の無い話だったんだ」
魔法で本を棚に仕舞うと、部屋の明かりが徐々に暗くなる。
end、これで終わり。
トゥルーでも、なんでもなく。
間違えたことをbadと言うのなら、それもありかもしれないが。
これは普通じゃないために ノーマルでもbadでもTrueでもない。
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