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日が昇ると暑くなる初夏。
泉の底にある神殿は肌寒いくらいの涼しさだが、外は暑いのだろう。
「母は、篭ってしまいました。」
2歳のラインハルトは龍と神の血を引いているということもあって姿は15歳くらいの男のそれです。
「昔から姉さんはそうだったな。まぁ気にするなそのうちひょっこり出てくる」
レオンハルトはそう言うと微笑まずラインハルトの頭を撫でます。
きっと、この人の子供に産まれてくる人は幸せなんだろうな、と思いながら。
「父は、まぁ…相変わらずです」
シルヴァはたまに帰ってきてはラインハルトと少しお喋りしたらまた仕事に行ってしまいます。
「ラインハルト、お前は恵まれてこそいないが。あの二人よりは恵まれているぞ」
母と父の過去を知っているからこそ言えるのだろう。
「知ってます、でも」
「以上を望むのは人らしいな、良かったよ」
安心したようにため息をつくと何とも言えぬ空気になる。
「リヴァはきっと、母親にしてもらいたかったことをお前にやるし、シルヴァは一人の人間としてお前を見るだろうな。」
「それが親ですか…?」
「まぁ、俺にもわからないが。きっと」
どちらかと言えばクドさんの方が父親らしいし、母さんに説教するアレフさんの方が母親らしいのだが…。
決定的に母さんは母さんで父さんは父さんだと、血は争えない…。
「あーもう!わかりません!」
「はははっ、俺にもそういう時期があったさ」
「勉強に戻ります、また来ます!」
勢いよく飛び出していく。
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