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シルヴァがアヴァロンに行ってもう3日経っていた。
「そろそろ神殿に篭ろうと思うの」
リヴァがそう言うと盾であるアレフも賛同するように、本来の役割である門番として神殿に同行した。
神として、巫女として。
ーーーそして約束の3年。
「母様、この魔導書は読んでいいのですか?」
神殿の中にある居住スペースで一人の少年が尋ねる
ラインハルト、まだ2歳なのに立って歩けるし話が出来る 龍の血を引いているから子供と言えど赤子ではない。
「えぇ、良いわよ、向こうで読みましょうか」
「はい、母様」
リヴァは地に付くほど髪が長くなった、前髪は頻繁に切っているが後髪は差ほど気にならない。
「"誰か"来たわね」
そう言って神殿の入口の方を向くリヴァ。
「ただいま戻りました」
アレフを連れて銀髪の青年が微笑む。
ラインハルトに似ている…
「あら、随分変わったのね」
きちんとした制服を来て、髪も少し伸びた様子で
「えぇ、まぁ…」
「おかえりなさい、シルヴァ」
ラインハルトは初めて見る父親に目を輝かせている。
「はい、ただいま。君がラインハルトか…私が父親ですよ」
優しく撫でられる頭。上がらない左腕…。
「シルヴァ?貴方…」
「あ!肩が外れてるだけだよ、気にしないで!」
敬語も抜けて…掴まれた左腕はついていないような気がして…。
「…ちょっと、これ…」
「言わないで!分かってるからさ…」
「母様?父様?」
不安がるラインハルト…気を使うアレフ。
「俺と一緒外に行かないか?ラインハルト」
「…はい」
ラインハルトがいなくなったのを確認すると
「私の力でももう動かないわよ、なんでもっと早く帰ってこなかったの…」
「あの時帰る訳には行かなかったんです。」
「これじゃあ…あの子を抱き締められないじゃない…っ!」
リヴァはうっすらと涙を浮かべている、シルヴァは情けなく笑うだけ。
「で、でも 魔剣の力を行使している時は動くんですよ?」
「馬鹿!」
「うっ…すみません…」
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