轟音 ページ25
「うぉりゃああああー!!」
闘技場で決戦が繰り広げられていた。
ギャラリーは5人。
「そろそろ来そうだな」
クドがうどん片手に言う。
「あぁ…子供達は見たくないと言って引きこもってしまった」
レオンが少し虚しそうに呟く。
「何がそんなに酷いんだろうな…」
「レオン様、雲行きが怪しくなってきましたね…」
カシュが上空を指さす。
イグニスは上から地を見詰めている。
「余が護るのはリヴァだけだ、貴様らは自分の身は自分で守れ、」
「リヴァを護るのは俺の役目なのだが…」
少し不機嫌なアレフ。
「遥か北に見物人がいるな…ふっ」
イグニスが呟く。
「オブザーバーでしょうか…」
ーーー黒い落雷が轟く。
「おいでなさった!」
クドがアルペジオを構えて落雷が落ちた一点を見つめる。
「…っ!!」
リヴァと瓜二つの、いやリヴァそのものが立っている、だが違いを上げるとすれば黒いのだ。
「何してるの!シルヴァ!」
「嗚呼、また…また…」
リヴァが間一髪の所でシルヴァを抱え退避する。
「あれは…リヴァですか…?」
シルヴァがありえないという顔でリヴァを見る。
「黒いけど私ね…黒いけど!」
「ねぇ…その女、誰なの…?また私を…」
向こうのリヴァにはリヴァに認識がないようだ。
アレフが切りかかる、金属が削れる音がする。
「硬い…!?」
脇腹に蹴りが入る、戦い方もリヴァそのものだ。
「邪魔しないで、貴方は知らない。」
「アレフ!!!」
「私には…貴方だけなのに…あれ、なんだか…貴方……」
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