遊覧船 ページ18
世界が仮にいくつもあったとして。
物語がいくつもあったとして。
私達が生きてるというのは、他の世界からしたらもしかしたら…なのだろうか。
暑い日が続く、湿度がないだけ暑さからは免れているが…
気温は30°Cを越していた。
リヴァ達は水鏡の橋という砦に遊びに来ていた。
「海もいいけど川も良いわよねー」
水鏡の橋は砦の上に川があり、砦の中には水車が回っている…。
夏を過ごすならここが一番涼しい。
最近はアレフとイグニスが何やら特訓をしていて暇を持て余している。
「えぇい!違う!そうではない!力を意識するな!」
「何見てるんです?」
シルヴァがリヴァの座っている机の上に4人分の紅茶を置く。
「陽炎を」
ふっ、と笑いテーブルに視線を向ける。
流石は双子というのか…落ち着いた声はレオンハルトに似ている。
「ふと思ったんですけど…リヴァって猫かぶってますよね〜」
「あら、陰口?」
「違いますよ〜、疲れないのかなって」
「疲れるよ、だからこうやってたまに息抜きしてるわよ?」
シルヴァの鼻を摘む、
「なにひゅるんですか」
「なんか、見たことあるなって」
この場面を見たことがあった様な気がした。
ぱっとその手を離す。
「私ね〜、賑やかなのも好きだけど一人でいるのも好きなの」
「そうなんですか?僕はリヴァといたいですけど」
温かい紅茶を飲む、青色の茶葉なんて珍しいなと思いながら。
「ねぇ、暗黒点は誰かが創り出している物だったら…?」
「なんですか、唐突に…」
「有り得ないのよね…あんなものが自然に出来るかしら…誰かが意図的に」
「…意図的に?」
何故か、そんな気がした…突然ハッとした顔でリヴァの口が閉じる。
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