朝霜 ページ16
宿から見える城は霧に包まれていて霞んで見える、それがまた幻想的で此処はやっぱり異世界なのだなとベアトリーチェは実感していた。
「いたたっ…くぅ〜!もろに食らっても痛いね〜!」
気休め程度に包帯をベアトリーチェに巻き付けるダンテ
「少しは大人しくしたらどうだ?傷口が開くぞ」
心配しているのか呆れているのか…後者だろう。
宿にチェックインした時には傷口はもうだいぶ塞がっていたが見るに耐えないということでダンテに巻かれている。
「もうっ、どこ触ってるの〜!?へんたーい〜!」
冗談混じりに茶化してみるがダンテは舌打ちして。
ベアトリーチェを叩く。
「いった!?冗談だよ〜!」
笑って弁解するが、途端に寂しくも感じる。
ダンテを守るのが私の務めで使命だ、多分、アレフっていう騎士も同じで、でもその守るべき主君に守られるってことは凄く名誉な事だろう。
「軍人は命令で動きますからねぇ…仕方なし」
酷いくらい城が荒れている。
「目も当てられませんね…」
戦闘があったにしろ、これは酷い。
シルヴァは片付けを始める、何故かイグニスがアヴァロンから着いてきたが無視を決め込むことにした。
というか、もう姿が見えない。
「あら、シルヴァ…おかえり。」
リヴァ、なんか少し疲れているような…?
「ただいまーです」
瓦礫を集めながら
「2日で綺麗になるから触らなくても大丈夫よ」
「ですけどー、心の問題です!」
綺麗にしなくてはという使命感、
するとリヴァも瓦礫を集め始める。
「そうね、私達の家だもんね…」
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