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千鶴「寝心地は、あんまり良くなかったです」

総司「ふうん…。そうなんだ?」

にやにやしながら千鶴の顔を見る沖田。

総司「僕がさっき君に声を掛けた時には、
全然起きてくれなかったけど…?」

千鶴「えっ!?」

『からかわれてるだけ。
沖田は僕たちの部屋になんか来てない。
来たのは井上さんだけ。』

ぎろりと沖田を睨む。

沖田は微笑んだまま、私に目を向け、
わざとらしく茶化すような口調で言う。

総司「もう少し、君の反応を見たかったんだけどな。…君も酷いなぁ、勝手にバラすなんてさ。」

千鶴「…酷いのは、ねぇ…兄様じゃなくて
沖田さんの方だと思いますけど…?」

また、姉様って呼ぼうとしなたな…。

歳三「…おい、てめぇら。
無駄口ばっか叩いてんじゃねぇよ。」

土方の呆れ返った声が響くと、
沖田は肩を竦めてから口を噤んだ。

にこにこ癪に障るような笑顔のままだけど。

???「でさ、土方さん。
………そいつらが目撃者?」

そう言って私達を一瞥した人は幹部達の中でも特に年若いように見えた。

…幹部なんて言われると、
年配の方ばかりだと思っていたけれど…。

結構、若い人ばかりみたいだ。

寧ろ…不良っぽい雰囲気。

???「ちっちゃいし、細っこいなぁ。
まだガキじゃん?こいつ。」

この人は多分、藤堂平助。

この部屋に来るまでに井上さんに少し
教えてもらったけど…。

藤堂は、新選組最年少の幹部らしい。

…つーか。

『ガキにガキって言われたくないんだけど。』

平助「なっ!?」

???「ぶっあははははははは!!!!」

こちらを観察するように見ていた人が、
大声で笑う。

???「だな。世間様から見りゃ、お前も
こいつらも似た様なもんだろうよ。」

その人の向かいに座っていた人も、
無駄に神妙な面持ちで頷いている。

そう言えば井上さんも、
賑やかな2人組が居るって言ってたっけ。

確か、笑った髪の短い方が、永倉新八。

髪の長い、頷いていた人が原田左之助。

平助「うるさいなぁ、
おじさん二人は黙ってなよ。
それとお前!ガキにガキって
言われたくないからって、そんな事言うなよ!俺が新八っつぁんや、左之さんに
色々言われるだろ!」

新八「ふざけんなよ、このお坊ちゃまが!
俺らにそんな口聞いていいと思ってんのか?」

左之助「平助におじさん呼ばわりされるほど、年食ってねぇよ。……新八はともかく、俺はな。」

新八「てめぇ…。裏切るのか、左之。」

11→←9 一章〜文久三年十二月〜



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作者名:星空海月  | 作成日時:2021年3月1日 13時

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