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彼らは仲が良い。
愛染と蛍丸が笑っていて、
明石さんはそれを眺めている。
穏やかで、優しい思い出。
でも、その本丸では………
刀剣達はあまり良い扱いは
されて無かったようだった。
貴重な刀剣達は酷使されていて、
入手に苦労しない刀剣は手入れもされず、
放置されたままだった。
そんな過酷な環境の中、
明石さんは二振りを守る為に
色々と手を回していたようで。
疲労が見て取れた。
でも刀剣が増えるにつれて、
明石さんの苦労にもボロが出始めていた。
───────────────
愛染「国、行………ほ、た…………」
明石「愛染っ！！」
バキンッ
最初に被害を受けていたのは愛染だった。
愛染は何度も戦場で折れては、
新たに鍛刀される、その繰り返しをしていた。
明石さんは、記憶のない愛染と
何度も出会っては破壊する姿を繰り返し
近くで見ていたようだった。
そしてまた別の愛染と出会っては、
嘘を言わなければならなかった。
蛍丸「国俊………くに、………ｯ、」
「蛍丸。出陣だ」
蛍丸「主さん、もう止めて………！
も、う………腕が、上がらない
本体を、持ち上げれな───」
「お前は一番の戦力なんだ！
くそっ、あの隣国審神者め。
演練でどこまで俺を愚弄するんだ。
早く来い蛍丸っ！！
貴様を入手する為にどれだけ資材を
破綻したと思ってる！！【来い】！！」
蛍丸「ｯ！や、やだ………嫌だぁっ！！」
蛍丸は審神者の言霊で縛られ、
特に酷使されていたみたいだった。
毎度明石さんが止めようとするけど、
審神者には逆らえないようになっているらしい。
別の本丸で、こんな仕打ちを
受けている所もあるなんて………
知らなかった。
嫌だ………怖い。
赤神さんの本丸とはまるで違う。
明石さんが居る本丸は………
もはやただの、檻だ。
恐怖で、見入ってしまった私。
明石さんが居た本丸は、本当に。
嗚呼、胸が痛い。
これは明石さんの痛み？
それとも、付喪神として目覚める前の、
君だったりするの？オルゴール………
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2021年2月27日 11時
