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ｵﾙｺﾞｰﾙ《うちは自鳴琴………
オルゴールの付喪神。
最近、付喪神として目覚めたばかりで、
力が弱いんよ。だから見える者は限られとる。
同じ付喪神でも、見えないもんは見えへん。
貴様、うちが見えとるんなら
かなり強い力があると見た。
そんな貴様こそにお願いがある》
可愛い声して口が悪いオルゴールの付喪神。
彼女は口が悪いにしては私を
真剣な眼差しでそう話すので、
何となく………まあ、彼女の持ち主の影響か
何かでこんな歪な口調なんだろう。(多分)
『………で、さっき君、
“あの人と引き合わせて欲しい”とか
言ってたけど、誰の事？
経緯を話してくれなきゃ、
私は手を貸さない』
ｵﾙｺﾞｰﾙ《な、！くっ………
良い獲物が来て、取り憑いてやったと
思ったらこれや………
貴様、今うちに取り憑かれて居るの
忘れんときっ！！》
『取り憑い………？ﾊｯ
君まさか、私に触れた瞬間に取り憑いて
私の霊力を吸ったな！？
だから話せるようになったり、
通常の付喪神と同じ位の力を得たんでしょうっ！
身勝手にも程がある！！』
ｵﾙｺﾞｰﾙ《ふんっ！うちにはやらなきゃ
いけない事があるんや。
うちらのようなのが見えてる身なら、
こうなる事くらい予測出来るやろ。
鈍くさい人間もおったもんやね！》
な、なんて奴だ。
見た目とは裏腹に捻くれた付喪神だな。
私と目が合っただけなのにっ。
それだけで取り憑かれて、
貴重な霊力まで座れるなんて。
完全に油断してた………！！
『(これは………こいつの願いを
叶えるのが吉か………)
………ﾊｧ､分かった。分かったよ………
付き合ってあげるから、
本丸の皆に迷惑をかけないって約束しなよ』
ｵﾙｺﾞｰﾙ《！お、おおきに………！
嗚呼、やっと………会えるんや。
あの人に、会えるんやなぁ………！》
??「誌重？」
『！き、切国さん………』
その時、襖が開かれる。
そこには切国さんが居て、彼は目を丸くしていた。
………タイミングが、悪すぎる。
迷惑かけたくなかったのに早速………
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2021年2月27日 11時
