†佰弐拾玖† ページ10
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膝丸「ど、どういう事だ兄者…………
話が全く見えないが」
髭切「洗脳の一種さ。僕らだけじゃない、
主に主力部隊は大抵記憶を奪われてる。
僕らは人の身を授かって、心と言うものが生まれた。
でもその心は時に刃を鈍らせる。
主が記憶を奪うのは、僕らの刃を
鈍らせないためじゃないかな。
第一部隊や第二部隊はこれまで何度も繰り返し
記憶を改竄させられている」
兄者はこの本丸の深淵の発端を知っていた。
記憶を改竄し、幾度の戦場に置いて、
刃を鈍らせないため…………
強い力を求める審神者は、
それを容赦なくこの儀式を行っていたと言う。
今回、俺は自身の力で記憶の破損に
気づいてしまった為に、記憶を再び奪うつもりなのだ。
許される筈がない。ならば、俺の本当の主は？
兄者の言う…………俺の記憶の中にある
あの少女が、本当の主だとしたら。
今の男の主は…………この本丸を乗っ取ったと言うのか。
膝丸「…………許される物ではないな。
我らの記憶を改竄するとは………至極、不愉快だ」
髭切「前のお前も同じような事言っていたね。
やっぱり、お前はお前だね」
膝丸「すまなかった兄者。
兄者はずっと、覚えていたと言うのに、
俺は気づかず兄者に迷惑を…………」
髭切「いやいや、お前はいつも
誰より先に気づけていたよ」
膝丸「…………」
髭切「でも、御守りはもうボロボロだ。
効力ももう無いだろう。潮時だね」
膝丸「兄者はどうして俺に言ってくれなかったのだ」
髭切「うーん、今まで主を斬る機会を
探してたんだよ。
でも何回も試したんだけど、駄目だったんだ。
これじゃあ忘れてたフリをした意味がないね」
膝丸「…………ならば兄者」
髭切「なんだい？」
膝丸「…………ここにいる妖を殲滅しよう！
この事を公にするのだ。
断片的にだが、俺は思い出したぞ。彼女の事を」
髭切「…………そうだね、
ついでに主も斬ってしまおうか。
忘れてしまったお前を見るのも飽きてしまっまたよ」
膝丸「もう二度と忘れまい」
御守りにはもう効力がないと言う事は、
兄者の記憶を守れないと言う事。
その時、俺達は同じことを考えていただろう。
奪われるくらいならば、折れた方がましだった。
だから、最後の選択は戦うことを選んだ。
例え、折れたとしても…………
我ら兄弟の誇りは、決して裏切らないと。
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冷泉 雪桜(プロフ) - tomo10260403さん» コメントどうもありがとうございます！薄桜鬼も読んでくださって……感謝でしかないですね！これからもよろしくお願いいたします (2019年9月17日 12時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
tomo10260403(プロフ) - 冷泉 雪桜さまの作る作品の虜になりました！薄桜鬼も刀剣乱舞も一気に読んでしまって、小説を読むのが苦手なほうなのですが、のめり込むようにするすると入ってくる文章に、夢中です！ (2019年9月16日 17時) (レス) id: f4aa91fff9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2019年9月6日 1時
