+現代に残る源氏の重宝+ ページ43
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現代。
京都、北野天満宮にて。
源氏の重宝「鬼切」もとい「髭切」と
「膝丸」の同時展示イベントが予定され、
その準備の最中、A達の帰りを
見守る神がニ柱。
髭切《…………あれが分霊の弟、かぁ。
何だか不思議だね、同じお前なのに》
膝丸《何とも言えないな……………あれが俺か》
髭切《初々しいねぇ》
膝丸《止めてくれ兄者………俺としては複雑なんだ》
髭切《まあまあ》
膝丸《あの人の子は、我らが見えているのか。
審神者でも我ら本霊の存在の認識は難しいだろうに。
兄者はあの黄昏色の瞳の人間を知っているのか？》
髭切《まあね。お前も分霊の記憶は
流れてくるだろう？
本体から動けないし、僕からお願いしたんだ。
“弟を助けて”って》
膝丸《しかし、人間に我らから
あまり干渉してしまっては……………》
髭切《あの子は良いんだよ。
それにこう言うのは人の子しか出来ない》
「「わぁ、お母さんお母さん！
綺麗なかたなー！！」」
「「まあ、本当…………こうして刀は
語り継がれて行くのね」」
髭切《ﾌﾌｯ……………人って
可愛いねぇ、愛しいねぇ？弟》
膝丸《……………そうだな》
髭切《刀の時代は終わっても、
守りたいものが増えて仕方ない。
人の手がこんなにも可愛く思える》
膝丸《幾つにも分かたれた我らが、
人の為に使われるのは光栄な事だな》
ガラスケースの中で、神々が人をいとおしそうに
人を見つめている事は、誰にも分からない。
ガラスの向こうで小さな手が置かれ、
その手に重ねるように神が触れている事も。
人は知らない。
知るのは神々のみである。
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冷泉 雪桜(プロフ) - tomo10260403さん» コメントどうもありがとうございます！薄桜鬼も読んでくださって……感謝でしかないですね！これからもよろしくお願いいたします (2019年9月17日 12時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
tomo10260403(プロフ) - 冷泉 雪桜さまの作る作品の虜になりました！薄桜鬼も刀剣乱舞も一気に読んでしまって、小説を読むのが苦手なほうなのですが、のめり込むようにするすると入ってくる文章に、夢中です！ (2019年9月16日 17時) (レス) id: f4aa91fff9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2019年9月6日 1時
