†佰伍拾壱† ページ32
それから今剣様は記憶を辿るように
明石様と愛染様について話してくれた。
前任の主がおかしくなり始めてから、
打撃が強い蛍丸様を使い回すようになった事。
そんな無茶な労働に見かねた明石様と愛染様は
主に反論したそうだ。
でも、主は二振りの言葉に耳を傾ける事なく、
蛍丸様を乱用するのを止めなかったのだと言う。
今剣「それからでした。
さにわはいうことをきかないふたりを
”ほんまるからついほう“して、
“ほたるまるのきおく”をけしました。
きおくのぼうきゃくのせんのうは、
らいはからはじまったんですよ」
岩融「…………不快極まりない。
つくづく罪作りな男よ…………！」
『記憶の洗脳は、来派から…………って、あれ？』
私は後ろにいるであろう面影様を見た。
…………が、いつの間にかいなくなっていた。
あれほど歩き回るなって言ったのに…………
古い刀が皆マイペースなのは
どこも共通なのかは知らないが、こちらが困る。
私の反応に今剣様と岩融様は互いを見て
首を傾げている。
ってそうだった…………二振りは見えてないんだった。
岩融「主、何かあったか？」
『い、いいえ！！色々教えてくれて
ありがとうございました！』
今剣「えっ、あるじさまっ！？」
とりあえず私は面影様を探すことにした。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
この本丸は広い。
探すにしたって敷地が半端ない程広い。
彼は幾つなんだ…………千は越えてるだろうにっ！
あちこち走り回って、なおも見つからず
古傷が痛む足を擦りながら
縁側で座り込み途方に暮れた。
…………そう言えばここに来て一ヶ月は経つが、
蛍丸様を見たのは膝丸様の一件以外見当たらない。
彼はいつもどこで過ごしてるのだろうか。
『…………参ったなぁ』
??「主」
『わっ！え、膝丸様？』
膝丸「そんなところで座り込んでどうした？」
その時ふと声をかけてきたのは、
ジャージ姿の膝丸様だった。
彼は傍らに籠を持っていて、そこには洗濯物が
綺麗に畳まれて入っている。
…………嗚呼今日は洗濯物を頼んでいたっけ。
『足を痛めてしまって』
膝丸「足？…………嗚呼、右足の古傷か？」
『は、はい。探し物してたんですけど』
膝丸「ふむ、探し物と言えば、
先程見知らぬ刀剣を見たのだが…………
新たに鍛刀した仲間か？」
『…………へ？』
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冷泉 雪桜(プロフ) - tomo10260403さん» コメントどうもありがとうございます！薄桜鬼も読んでくださって……感謝でしかないですね！これからもよろしくお願いいたします (2019年9月17日 12時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
tomo10260403(プロフ) - 冷泉 雪桜さまの作る作品の虜になりました！薄桜鬼も刀剣乱舞も一気に読んでしまって、小説を読むのが苦手なほうなのですが、のめり込むようにするすると入ってくる文章に、夢中です！ (2019年9月16日 17時) (レス) id: f4aa91fff9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2019年9月6日 1時
