†佰肆拾弐† ページ23
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瀬《御用人、礼を言うぞ。
お陰で昔の記憶を取り戻せた。
力は衰えたままだが、
これで人の子の縁切りの願いや、
あのりあ充の縁切りも叶えられるだろう》
『(まだ根に持ってたのか…………)』
それから橋姫神社に戻った私達。
橋姫様は
彼女の神としての名前の上に橋を司る
朱印を押しながら満足そうに笑った。
流石は嫉妬の神…………執念深い。
橋姫様に初めて会った時に見かけた
カップルに心底同情しながら、
瀬《言ったであろう？弱い人の子と、我らは違う。
うぬが思ってるほど、弱くはないのだ》
『…………そうですね。私自身、彼らを
まだどこかで信じていなかったかもしれない』
私はそう呟いて、ウエストポーチから視線を
橋姫様へと向けた。
気づいた頃にはもう、彼女は女子学生の姿ではなく、
本来の姿に戻っていた。
いや、それよりも更に背が伸びていて、
会った時よりも姿は成長しており、
より神々しい美しい女性の姿となっている。
一時的ではあるが、力が戻った証拠だ。
瀬《…………惜しいな》
『はい？』
瀬《縁を結ぶ事が、これほど嬉しいものであれば、
縁切りではなく、縁結びとして祀られてみたかったな》
『…………ふふっ』
瀬《祈ることしか出来ないが、
うぬらの縁が…………より強い絆と成ることを、願おう》
『ありがとうございました』
こうして、宇治の橋姫と恐れられた
無事に終わることが出来たのだった。
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あれからまた数日。
今日はいきなりだが日記を書こうかと思っている。
これから本丸に多くの刀剣達が
集う事になるだろうから、
新たに鍛刀された仲間のちょっとした観察日記を
記録する事にしたのだ。
…………で、早速だが、他の本丸で言えば
“初期刀”あるいは“初鍛刀”と呼ぶものだろうか…………
私の力で初めて鍛刀したのは二振りの薙刀。
巴形様と静形様である。
彼らは見た目の割りに随分と素直な刀剣だった。
そうだなぁ…………最初は巴形様から記録しようか。
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冷泉 雪桜(プロフ) - tomo10260403さん» コメントどうもありがとうございます！薄桜鬼も読んでくださって……感謝でしかないですね！これからもよろしくお願いいたします (2019年9月17日 12時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
tomo10260403(プロフ) - 冷泉 雪桜さまの作る作品の虜になりました！薄桜鬼も刀剣乱舞も一気に読んでしまって、小説を読むのが苦手なほうなのですが、のめり込むようにするすると入ってくる文章に、夢中です！ (2019年9月16日 17時) (レス) id: f4aa91fff9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2019年9月6日 1時
