【刀剣乱舞】その縁、巡りゆく定め (ページ45)

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+主との思い出の話+ 参ページ45

長谷部side

許されない気が、した。

“何故、仲間を折ったのか”
“何故、夜蝶様は死んだのか”
“何故、お前は折れていないのか”

俺は主を救えなかったどころか、仲間を折った。
償えないほどの罪が、重なりに重なって。
重く感じていた………

願いは一つだった。
主達が幸せであれば、と。
その為ならどんな汚い事でも出来る。
二人は明るい道を進み、暗闇から二人の背中を
見守る事が出来れば………と。

だが出来なかった。守れなかった。
視線を感じる………それは憎しみが込められた、
憎悪の眼差し。

分かっている、分かっているんだ。
今更だ、どうってことは無い。
許されない身だ。

明るい道に、俺は行けない。

長谷「(だが、もし………)」

許される事があるなら………
この胸の虚無を埋める事を、
望むだけでも良いのならば。

………会いたい。貴方達にもう一度だけでも。

酷く寒いのです、主。
苦しいのです、主。

寂しい………会いたい……

もう聞く事がない声を、
俺はいつまでも求めている。

ただ、聞きたかった。
俺の名を呼ぶ、二人の声を。

“大丈夫”

“長谷部、大丈夫だよ”

“君は一人じゃないから”

長谷「(ある、じ)」

子守唄が、聞こえた。

嗚呼、そこにいるのですか？
でも行けません、俺は貴方がいる明るい方へは。

行けない、のに。
…………お許し下さい、主。
貴方を恋しく思うこの俺を…………

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『あ、目が覚めましたか？』

長谷「…………」

体が、思うように動かない。
頭がぼうっとしている。

隣を見ると、そこに“彼女”がいた。
額に冷たいものが当たる。

『………まだ高いですね……あ、仕事は大丈夫ですよ。
ゆっくり休んでください』

長谷「………ぁ、るじ？」

『え？』

長谷「何故、貴方が、ここに？
敬語、なんて………貴方らしくも、ない」

『？？(どうしちゃったんだろ)』

長谷「………嗚呼、こんな夢を見るまで、俺は」

『(夢？長谷部様、まさか間違えて………る？)』

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