【刀剣乱舞】その縁、巡りゆく定め (ページ27)

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†漆佰陸拾陸† “父の記憶” ページ27

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御手《あー、俺でて行った方がいいか？》

『………ぁ、』

御手《？》

『あ、いや、ありがとうございます』

御手杵様は気を遣ったのか、
少し気まずそうにして一室から出て行ってしまった。
………心細いと、思ってしまった。

ちょっと、恥ずかしい。

『(緊張する………)』

そして私は、父のアーカイブを開いた。
見慣れた父の筆跡。達筆で綺麗な字が、
そこに連なっている。

そこに、真実がある。
父の目線と言う、数ある真実の一端が。

Aside〜end〜
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ツムグside

運命とは、ひょんな事から始まるのかもしれない。

俺は九重家に生まれた。
九重家は代々、普通の人間には見えないものを
見る力を持った人間が生まれていたが、
血縁が途切れ始め、やがて神や
妖怪をその目に写さなくなった。

“七つまでは神の内”とはよく言うが、
七つを過ぎても妖怪が見えなければ
一生桜真の力は発揮されないと言う。

だが、俺は七つの時………
桜真としての力を発揮してしまった。

力を発揮した時、両親は俺を軽蔑した。
まあ、大昔から九重家は有名な
祓い屋だったらしいから、
妖怪に恨まれていたようだ。

見える人間が生まれたなら、
恨みを持った妖怪に襲われかねないからな。
きっと俺が恐ろしかったんだろう。

九重家の当主候補から、剥奪された。

??「ツムグ、またお父さんに叩かれたの？」

ﾂﾑｸﾞ「ﾋｸﾞｯ………姉、さん」

姉「ごめんね、ツムグ。
ほら………大丈夫だよ」

そんな俺を支えてくれていたのは姉だった。
美人で、暴力を受けていた俺を
いつも手当してくれた。

俺をいつも庇ってくれた。優しい人だった。

姉は俺が見えるせいで、
九重家当主を受け継ぐ事になってしまったから、
自由になれない身となってしまったが………
それでも彼女だけは、俺を愛してくれた。

ﾂﾑｸﾞ「姉さん、ごめんな。
俺のせいで………姉さん、
学校にも行かせてもらえてないだろ？」

姉「ふふっ平気だよ。俺はツムグが元気で、
笑ってくれればそれでいい」

ﾂﾑｸﾞ「………けど姉さんは」

姉「今度、見合いをするんだ。嫁に行くんだよ。
相手も俺を良くしてくれている。

嫁にいけば、九重家から出られるんだ。
安心をし？大丈夫………俺は幸せになるから」

それが姉の口癖だった。
あまりにも幸せそうに笑うから、
引き止める事も出来なかった。