【刀剣乱舞】その縁、巡りゆく定め (ページ21)

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†漆佰陸拾† ページ21

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稲荷《………いいだろう。その願いを叶えよう》

ﾂﾑｸﾞ「！誠ですか！？」

稲荷《ただし、君は覚悟を決めると良い。
君は、二度と娘と会えなくなる。

それでもいいんだな？》

ﾂﾑｸﾞ「！」

稲荷《当たり前だ。君は、神直々にこうして
願いを請うている。

我々神は、人の助けにはならない。
人が自力でその道を歩めるように“手を貸す”存在。
代償は高く付くよ》

ﾂﾑｸﾞ「………覚悟の上です」

私が忠告すると、彼はそれでも尚………
真っ直ぐと私を見据えていた。
それ程に、救いたい命か。

興味が湧いた。
これは私のただの気まぐれに過ぎない。
少しだけ手を貸すだけだ。
後は人が自力で何とかするしかない。

稲荷《………まあ、犬神をそこまで放って置いた
私達にも非があるからね………

犬神の呪いは、私には祓えないよ。
私は縁結びと豊穣の神。
神は万能ではない………

清めることは出来ても、祓うことは出来ない。
だが、その呪いの進行は遅らせる事はできるだろう》

ﾂﾑｸﾞ「遅らせる………」

稲荷《呪いの存在自体を忘れるのさ。
呪いとは負の感情………得に“死への執着心”が
強いほど進行を早める。

運が良ければ呪いの事を忘れたままに、
人としての生は終われる。
が、桜真の血縁者であれば、難しいだろうね》

ﾂﾑｸﾞ「それでも構わない。
あの子が忘れている限り、あの子は自由だ」

稲荷《………そうか。では君に“忘却の力”をあげよう。
これは定められし禁術。

対価は………そうだな。君の生き血を貰おうか》

ﾂﾑｸﾞ「生き血………」

稲荷《これは神との盟約。約束事だよ。
破れば君は私の契約により死ぬ。
まあ契約しても、君の生き血を対価とするから、
どの道君は長くは生きれない》

ﾂﾑｸﾞ「分かりました。私の血を、貴方に捧げます。
あの子が助かるならば。

そして生きている内に探します。
あの子の呪いを、犬神を祓う術を。
成功させます………祝ノ舞を。

禁術を用いる事、どうかお許しください」

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