【安室透】からかい上手の上司さん２【降谷零】 (ページ38)

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「うわっ！これ…！」

ラッピングされた箱を開けると、そこには俺が欲しいなと思っていた腕時計があった。

「高いだろ！？これ！」

雑誌で見たのだと、確か2万はする時計の筈…

「欲しそうに見ていたのを思い出したの。子供が値段なんか気にしないの。大人しく貰いなさい。」

社会人を舐めるなよ。と笑いながら俺の頭をクシャッと撫でた。

「よかったね！快斗！」と言って笑う青子と同級生達。

欲しかったものをくれたのも嬉しいけど

毎年、どんなに仕事が忙しくても必ず俺の誕生日の日は会いに来てくれて、祝ってくれる

そんな優しいAが…”姉ちゃん”が…。

「━━━━━━ありがとな！！」

俺は”姉ちゃん”に秘めた想いを含めてニカッと笑ってお礼を言った。

「どういたしまして。」

Aは微笑みながら俺の頭をそっと撫でた

「━━━━━━━━━━あっ。」

唐突に、やべ、思い出した…。と呟くA。どうした？と尋ねると

「あー…いや。あの…。」と言葉を濁すA

…ちょっと待ってて。と言ってAのカバンの近くに置かれていた袋を手にして、キッチンに入った。

皆してなんだ？と思っていると、しばらくして美味しそうなケーキがテーブルに並べられた

「これもプレゼント…。なのかな。よかったら食べて。」

そのケーキはまるで萎んでいるかの様なケーキで、それでもとても美味しそうだった。

「これっ…！あのポアロの新ケーキじゃん！」と同級生達の1人が声を上げた

「あ、知ってた？そのケーキの考案者にプレゼントとして持っていけと言われて…。」

ま、食べてみ。とAはそう皆に少し顔を引き攣らせながらも笑ってそう言った。

そして俺をチラッと見てきた。

その様子で俺は察した

このケーキ…アイツの…。

青子達は美味しい！と言いながらケーキを食べ始める。俺はAを捕まえて部屋の端に連れていく。

「何で俺の誕生日を知っているんだよ！」

そうコソッと聞くとあー…といいながら苦笑して、そして事情を説明しだした