NO.82 ページ34
━━━犯行予告時間3分前
会場内は重くピリついた空気に包まれている
それと反対で、会場の外ではキッドコールで大賑わいを見せている。声が会場内にも響いてくるレベルだ。
私はBlue.ladyを身に付け、今回のキッド対策用の防犯システムの中に閉じこめられていた。
透明ガラスケースの中に入れと言われ、入らされたが、まるで檻の中にでも入れられた様に重苦しい空気に正直うんざりしていた。いつもガラスケースの中にいる宝石達の気持ちがわかる。
━━━━━まぁ、1番重苦しい空気を放っているのが、私と一緒に常にいる上司なんだけど。
チラッと横目で上司を見る。明らかに期限の悪そうな顔で当たりを警戒している。
何故この上司が機嫌が悪いのか、それは先程キッドが置いたと思われるトランプがガラスケースの前に落ちていた。
トランプには、怪盗キッドのメッセージ
『尋常に勝負』ただ一言が添えられていた。
それを見てからこの様子。まったく、本当によくトリプルフェイスが務まってるなと思ってしまう。感情が今日はいつもよりダダ漏れ過ぎて笑えない。
「…落ち着いて下さいよ。」
ため息混じりにそう呟くと、ムスッとしたまま
「極めて落ち着いていますよ。」
と言う。その顔の何処に落ち着きがあるんだよ。
「安室さん、一分前だよ。そろそろ来るよ。」
ガラスケースの外からそう話しかけてくるコナンくん。コナンくんの顔も小学生とは思えない真剣で、どこか大人びている顔。
「…あぁ、わかったよ。」
上司はそう返事をし、スーツの内ポケットを漁り始める。
━━━━━ガシャっ
「…ん?」
私は違和感のある腕を見る。
私の片腕には見慣れた手錠が、かけられていた。もう片方は上司の腕に繋がっている
「えっと…?こ、これは…?」
「…あぁ、さっきお借りしましてね。離さない様にする為のですよ。」
「……。」
━━━━━━━━怪盗キッド…いや、快斗。
真面目にここから私を連れ出して下さい。
遠い目をしながらそんな事を考えたのだった。
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Kei(プロフ) - 続きが気になりすぎる!!!更新待ってます!! (5月6日 23時) (レス) @page39 id: d6b466aa56 (このIDを非表示/違反報告)
とろろ - いいところで止めないで!続き待ってます! (2023年1月21日 17時) (レス) id: f76190de27 (このIDを非表示/違反報告)
まみこ(プロフ) - 更新待ってます!お願いします!! (2022年9月23日 2時) (レス) @page36 id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
亜莉沙(プロフ) - 続きがすごく気になりす…!!是非お願いします!!!! (2022年5月18日 2時) (レス) @page39 id: 7ba5f4dac6 (このIDを非表示/違反報告)
やっち(プロフ) - 続きお願いします! (2022年4月26日 4時) (レス) @page39 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アレン | 作成日時:2018年5月31日 4時