【安室透】からかい上手の上司さん２【降谷零】 (ページ15)

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No.63 ページ15

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……Aが公安になってから、たまに愚痴を、電話で聞かされていた俺だけど、大半の愚痴は、とある上司にからかわれていてムカつくって内容ばっかりだった。

俺はその話を聞く度に相当性格の悪い奴なんだなと捉えていたけど、同時に

━━━━━━”Aの事が好きなんだな”とも思っていた。

前回の…シンデレラ事件と言われているあの時

俺は、前にAが、ハンググライダー楽しそうと、言っていたのを思い出し、どうせならキッドとして攫って、その夢を叶えさせてやろうと思って何気なく、そして楽しませたいと思いでAを誘った

そして、会場でやたら距離が近く、そして顔を赤くしてキレようと耐えているAを見かけた

そしてその様子を見て、楽しそうにニコニコしている…かつて、ミステリートレインで変装して、そして拳銃を突きつけられて対面した、あの危ねー奴。

━━━━━━━━━━あぁ、アイツか。

完全に直感。根拠は無かったけど、すぐに俺はアイツがAが言っていた上司かと思った。

色々疑問が頭に浮かんだけど、Aとあのやべー奴を見てそんな疑問は吹き飛んだ

だって

”姉ちゃん”のあんな顔見るのは初めてだった。

俺は影から変装してその様子を見て呟いた

「何だ…お互い好きなのかよ。」

━━━━━━━━初めて会ったあの時…から。俺の”姉ちゃん”になったあの時から。

抱いてはいけなかったこの気持ち

チビだった俺には到底叶わない。気持ちが苦しく思った時期もあったけど。

今は完全に吹っ切れていて特に何も思わなくなった。俺には…まぁ、少しに気なっている奴…(生意気な女だけど)も出来た。

完全に吹っ切れた筈…なのに

あの光景を見て胸の痛みが、あの頃よりもっと痛くて俺は思わず軽く苦笑した。

ジ《…快斗坊ちゃま…。そろそろ時間です。ご準備を。》

インカムから聞こえてくるジイちゃんの声

…あぁ、ジイちゃんに当時チビだった俺は相談した事があったな。

悲しそうに言うジイちゃんの声を聞いた俺は、明るく声を取り繕って

「ったく、んな声出さねーでくれよ、ジイちゃん！これからマジックショーだぜ？

━━━━━━━━━━”ポーカーフェイスを忘れるな”だろ？」

そう言うと、ジイちゃんは涙声で《…快斗坊ちゃま…強くなられて…。》と呟いた

「ほら、今夜も頼むぜ、ジイちゃん。」

俺はそう言って、合図を送り、会場を真っ暗闇にさせた