【安室透】からかい上手の上司さん【降谷零】

No.36 ページ38

「な！Aも飲んでるか！？」



「え！？あ、うん。飲んでる飲んでる…。」



同期の友達の1人に話しかけられる


他のメンバーはハメを外して賑やかに愉快に話をしたり笑ったりしている。


私はそれを眺めつつ、チラッと隣にいる人を見る


零「ん？どうした？飲まないのか？」


そう言ってニコッと笑いかけてくる


あれ？今安室透モードなんですかね…？


優しめな笑顔に思わず戸惑う。


あの後私は、隣の部屋の公安メンバーの飲み会に半強制参加させられていた。


そして今現在、無理矢理上司の隣に座らされている。


まさしく私にとっては色々と地獄の二次会である。


私は自分のいる部屋の隣の部屋の会話を聞こうと耳を澄ます


微かに会話は聴こえる


会話ボリュームは普通のはず。そして割と聞こえるから…まさかさっきの上司の悪口聞かれたり…？


私は思わず身震いをし、両手で持っていたビールグラスを強く握ってしまう


……チラッと横目でまた上司を見る。


隣で風見さんと談笑しながらビールを喉を鳴らして飲んでいる


袖のシャツを捲って晒された男性らしい腕。褐色肌に微かに見える手の甲の浮き出た血管に、ゴツゴツしているが細く綺麗な指


ネクタイは外されていて、首元のボタンも外されているから角度を変えてしまえば見えてしまう鎖骨


微かに汗ばんでいる首ラインに、ビールを飲む度に動く喉仏


サラサラしている金髪に風見さんの方を見ている透き通った青い瞳


隣に…しかも割と距離が何故か近いから、微かに上司の謎の甘い匂いがする。


謎のこの色気は何なのだろうか。本当にアラサーなのかこの人は…。


居酒屋にいるのも様になる警察官なんているものなのだろうか…。


…というか私はどこ見てるんだよ。変態じゃないか


この謎の心拍数を誤魔化す様に、私は思わず目を逸らす。

そして、ビールを飲みながらテーブルに置かれた料理をひたすら食べた

男だらけで女は私だけというこの環境下

私にはわからないが、警察内で聞いた噂だと、公安メンバーの顔面偏差値は割と高くて、女子警察官は密かに狙っているとかなんとか。


そして上司は警察内ではもちろん知られてないが、外では安定のモテっぷりで。


…こんな所他の警察にいる女友達にでも見られたら色々と面倒だ。私が公安の人間だなんて言ってないし。



私は静かに溜息をついて、黙々とビールを喉に通らせた

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