前世は魔法使いだったんですが【HP×DC】

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柄にもなく、心が沈んでいるのに気づく。


あの後、ハムサンドは予想通りとても美味しかったけれど、安室さんの色が頭から離れずにいた。
そしてそれは今も。


あの時、他にお客さんもほとんど居なかったからか、今度は安室さんが梓さんのいた場所に座って話し始めた。

何か聞かれても曖昧な返事しか出来ずに、僕はずっと安室さんの顔を見ていた気がする。


見ていて気づいたのは髪の色は僕の方が少し明るかったってことと、瞳の色はどれだけ観察してもまるっきり同じにしか見えないってこと。

そんな僕のことをGeniusboyは訝しげに見ていたな。

安室さんもそんな目を僕に向けていた気がする。

結局、今日はペットショップに行くのは諦めて帰宅した。

でも、明日少年探偵団が爬虫類もいるペットショップへ案内してくれることになった。


安室さんやGeniusboyに、変に思われただろうか。

ああ、しばらく安室さんには会いたくないな。
あのハムサンドは美味しかったけれど。

安室さんに会えば、嫌でも思い出してしまう。


楽しかったあの頃を。


愛していたあの日々を。


どうして僕は、失くしてしまったんだろう。



｢戻りたいなぁ。あの頃に｣



ほら、これは言霊なんかじゃない。




言葉にしたって、僕は時を超えられないんだから。

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