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下手な事を言ってしまった。
ゆっくり息を飲みこみながら少し気まずく思っていると、Aがもう一度下にいるやつらに目を移す。
その瞳はどうしてか、さっきとは違ったように見えた。
それでもAは何でも無いような表情をして、オレを見ようともせずに口を開く。
「それじゃあきっと、恋人にはなれないね。私とマークは」
「……どうして？」
「だって初雪を一緒に見てるの、あの子達も含めれば私たち二人だけじゃないし」
「た、確かに……いや、そうなのか？」
「行こっか、マーク。帰るならそこまで送ってあげるよ」
「Aは帰らないの？」
「実はね、今からヘチャンと内緒の話をする予定が入ってるから」
「……待つ？」
「ううん。ちょっと時間が掛かりそう」
「何の話？」
「言ったでしょ、内緒だって」
最後にもう一度外に手を振り、窓を閉めてそう笑ったAは何を企んでいるのか、結局何も教えてくれなかった。
そう言えば、未だにこの内緒話がなんだったのかを聞いてない。
後々ヘチャンに尋ねたとき、素っ気なく「覚えてないよ」と答えたくらいだから、そんなに大事な話でもなかったんだろう。
オレとAは他愛のない話もそこそこに、静かな廊下を歩いてエントランスまで辿りつく。
「次はいつ来る？」
「どこに？」
「会社にだよ。オレたちグループの更新時期だから休暇は多めに貰ってるけど、Aは見かけるたびにいつも忙しそうにしてるから」
「そうかな」
「そうだよ」
「私、いつも会社には来てるんだけど確かにマークとはあんまり出会ってないかも」
「待ち合わせでもしなきゃ。他のメンバーは？」
「さっきヘチャン見たし、ドリームの子達にも会えたし」
「そういう事じゃなくて」
「ほらマーク、雪が酷くなってきたから早く帰らないと。多分帰り道は混むと思う」
「わっ、本当だ」
「じゃあね、マーク」
「またねA」
送り出されたまま歩き出し、振り返って見たAはもうこっちを見ていなかった。
その後ろ姿を見てまた一つ気付いたことがある。
ああ、そうだ。
そういえばあの時、Aは「またね」の言葉に何も返さなかった。
そう思っていてもオレの手は外への扉を開けようとしていて、ダメだ、これじゃあダメなんだ、もう一度振り返ってAを追いかけないと、そうじゃないとAは、頼む、A、A、
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さっちゃん(プロフ) - 作品読ませていただきました。途中胸が苦しくなるほど、とても良い作品でハッピーエンドで終わり良かったです。またトキメキと良い意味での胸の苦しさを求めて何度も読もうと思います。素敵な作品をありがとうございます。 (9月26日 22時) (
レス) @page49 id: 585b81384e (このIDを非表示/違反報告)
ちるぬな(プロフ) - 初めてこの作品を読ませていただきました。言葉遣いからストーリー構成まで、ほんとうに好きです。素敵なお話ありがとうございます。これからまた何十回と読ませて頂きます^_^ (9月20日 21時) (レス) @page49 id: 7c0a70e250 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - はるかさん» 私こそすみません…！作品の方また楽しんでいただければ幸いです！ (2021年8月31日 11時) (レス) id: 9dd39ae13b (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - せのさん» そうだったんですね！失礼いたしました...！ (2021年8月30日 21時) (レス) id: ef764b671d (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - はるかさん» こちらこそ読んでくれてありがとうございます〜〜！！Twitterはしてないので教えられず……！ (2021年8月30日 16時) (レス) id: 01bd2f8507 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せの
| 作成日時：2021年8月2日 0時
