【刀剣乱舞】LOVE/LIKE/アイ？【短編集】 (ページ29)

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演練・引率ページ29

3時のおやつの時間になると食堂には駄菓子や甘味が並べられる。仕事がひと段落つくと、稀に主も糖分補給に現れる。
Aがかりんとうを齧っていると、どら焼きを頬張る後藤に話し掛けられた。

後「なーなー大将、演練に行ってみねーか？」

顔に付いた食べかすを取ってやり、Aはうーむと考え込む。
初めの頃は偶に参加していたが、そういえば最近はめっきり顔を出していない。腕試しがてら行ってみても良いかもしれない。

「よし、分かった。他に参加したい者は」

声を張ってみると、食堂にある殆どの手が上がった。定員6名。公平にじゃんけんで決める。

「これはなかなかの…」

着替えから戻ったAは部隊メンバーを見てたじろいだ。何というか、偏りが凄い。
隊長は巴型薙刀。以下、後藤藤四郎、蛍丸、毛利藤四郎、今剣、厚藤四郎。

毛「小さい子の引率は任せて下さいね！」

一人だけ目的違うのがいるし。

演練会場に到着した。15時に入れ替えをしたばかりとあって人でごった返している。Aは声を張り上げた。

「絶対に！迷子に！ならないように！」

下を振り返って確認すると、巴の足と小さいのが4振。1振居ない。

「毛利！今剣は！」

無言で巴を指差す。目線を上げると、なんと彼の肩に乗っていた。

今「あははは！岩融ほどではないですが、とてもいいながめです！」

「申し訳ないが巴、暫くそのままでいてくれるか。

巴「主の頼みなら」

すまなそうな表情のままで前を向いた主を不思議そうに眺める巴を、これまた眺めている刀剣がいた。後藤だ。視線を感じて見下ろすと、途端に顔を逸らす。
ふむ、と少し考えた上で、

巴「お前も乗るか？」

ぱあっと顔を輝かせ、後藤は強く頷いた。