【刀剣乱舞】LOVE/LIKE/アイ？【短編集】 (ページ16)

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愛して・引き継ぎページ16

前「審神者の仕事はざっくり3つあります。出陣に関する物、この本丸に関する物、そしてお金に関する物。近侍の役目は審神者が快適に仕事出来るように支える事です」

翌日。朝食の後前田に呼ばれていた加州は仕事場で説明を受けていた。
今日は前田の仕事振りを観察しつつ手伝うという形でAの側に居られる事になった。

加「支える…例えば?」

前「そうですね…主君が洗い物をしている今は、この間に今日の日程を確認しておくとか、机上に使う物を用意しておくなど…時に依りますね」

つまり空気を読んでその場に適した行動をしなければならないという事だ。
裏方仕事は苦手だが、愛して貰う為には頑張るしかない。

前「今日はお疲れ様でした」

加「いや、お疲れなのは前田の方でしょ」

一日の業務が終了した。

前田は自分の仕事をしつつ加州の指導をこなしたのだ。その苦労は加州の比ではないだろう。

前「とんでもありません。加州さんは飲み込みが早いですし、きっと明日も上手くいきますよ」

謙遜してフォローも入れられた。
その完璧な振る舞いには『え、うん…』と曖昧な返事をするしかなかった。

前「それと、これ」

と差し出されたのは一冊の帳簿。

前「明日の予定を纏めておきました。今日中に確認しておいて下さい」

加「すご…いつの間に」

前「明日は加州さんがするのですよ?」

加「えっ…」

心外だという顔をした加州に、また前田も心外だという顔で返した。

前「当然でしょう。明後日はまた僕が近侍なのですから。それとも2日やってみますか?」

ガチ顔を突き付けられ、また『あ…分かった』としどろもどろになって答えた。

明日は何をして過ごそうかとうきうき考える短刀の彼に底知れぬポテンシャルを感じ取る加州なのだった。