【オリジナル】Milky Princess -彼女達の甘い秘め事-【GL/短編】 (ページ8)

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色は違えど繋がる絆ページ8

バイトの無い金曜日の放課後。
私は制服姿のまま、凜の家に向かう。
学校にいる時からずっと彼女の事を考えていた。
今日はどんな話をしようかな。

部屋に入れて貰い、テーブルの近くに座って語らう。
「今週もお疲れ様。」
「ありがとう。今日は何か変わった事あった？」
「いつも通りで何も無いよ。ひなちゃんは学校で何かあった？」
話すかどうか少し悩み、やがて口を開く。
「…今日ね、隣のクラスの男子に告白されたの。」
瞬間、彼女はびくりと一度だけ体を震わせた。
やっぱり話さない方が良かったかなあ。
「……そっか。ひなちゃん、可愛いもんね。」
「でもお断りしたよ。
お付き合いしてる人がいるって言ったの。」
辛そうに笑う彼女を見て、そっと笑い掛ける。
「そっか…。
…その、ひなちゃんって元々、ストレートだったんだよね。
どうして私と一緒にいてくれるの？」
質問してくる声も震えている。
私は彼女を抱き寄せ、こう答えた。
「凜なら、本気で愛せる気がしたから。」
「え、私女だよ…？」
「分かってるよ。」
潤んだ目で見つめてくる彼女を、一層強く抱き締める。
「中学の時に凜が私に告白してきてくれたでしょ？
本当はね、最初は冗談で言ってるのかと思ったんだ。
でも今の凜みたいに泣きそうになってた顔を見てたら、
嘘は言ってないなって感じたの。
凜の気持ちを聴いてから手を握った時に、
私も凜の事を好きになれるかもって思って。
それに付き合うなら、私の事を
よく知ってる人が良いなって思ってたから。」
心の中に浮かんできた答えをそのままぶつける。
凜を他の誰にも取られたくない。
無二の親友となった頃から持っていた感情の蕾が
大きく花開いたその瞬間から、私と凜の関係は
始まっていたのかも知れない。
「…ひなちゃんはそれで良かったの？」
「うん。だって凜とずっと一緒にいられるから。
一緒にいるから、凜の事をもっと分かってあげられた。
凜の事を、本気で好きな女の子として見られた。
ねえ、凜はどう思ってる？」
「わ、私は…えっと。
…ひなちゃんに想いが届いたから、凄く嬉しかった。」
「それだけ？」
「え、あの、その…。
……もぅ、ひなちゃんのばか。一番好きって思ってるー。」
彼女は私の胸に顔を埋め、二の腕の辺りをぱしぱし叩いてきた。
軽く笑いながら、私は彼女の頭をそっと撫でた。

綺麗な顔で愛らしく微笑む彼女を見て、改めて想う。
どんな事があっても、私は凜を離さない。
深く繋がった絆は簡単には解けないのだから。