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その唇で繋ぎ止めて ※微裏注意 ページ41

仮に彼女の一番好きな顔はと訊かれたら、
私は迷う事無く<キスをした後の顔>と答えるだろう。
艶を帯びた唇。甘えたそうな眼差し。惚けて見えるピンク掛かった頬…。
何度しても初めて経験する様な表情を浮かべるのだ。
それを見る度に、私は本当に彼女に
愛されているのだと感じて嬉しくなる。

彼女からのキスが偶に激しくなる時がある。
我慢が出来なくなった時。
それが分かってからは、私も彼女が堪らなく
欲しくなった時は同じ様に激しく重ねている。
時計の音しか鳴っていない部屋に、唇や舌で感じ合う音が響く。
沢山の時間を掛けたキスは、軽い水音を鳴らして終わった。
「ひなちゃん、もっとして…?」
「まだ足りないの?」
あの顔で、言葉少なに甘えてくる凜。
少し意地悪に返してしまった。
「だって、ひなちゃんといっぱいちゅーしたいんだもん。
いっぱい繋がって…ひなちゃんを感じたいの。」
一度キス以上の事をしてしまったから、確かに足りないかも知れない。
それでも、キスだけで満たされるのも確かで。
「私も、もっと凜が欲しい。
じゃあ次は私からするね。」
言った後に、そっと目を瞑っている彼女の唇に自分のものを重ねる。
彼女の首元に手を回し、彼女も私の腰に腕を回した。
数分程経ってから、首元をそっと撫でる。
それを合図に彼女はうっすらと口を開けた。
少しずつ侵入していく舌を、彼女が絡め出す。
吐息が甘く聞こえ出した頃に、キス以上の事をする私達を妄想する。
すると自然と、激しいものに変わっていく。
キスに混じって、ふふっと一度ずつ笑い声が漏れた。
凭れ掛かってくる彼女を私の身体で支えると、
更に激しいものになった。
舌を伝って流れてくる唾液をこくんと飲む。
薄く目を開くと、彼女の薄ピンクだった顔は
真っ赤に近い程になっていた。
今の私も同じ様になっているんだろうな。

「……足りた?」
「……足り過ぎちゃった。」
些かセンシティブなキスを楽しんだ後に尋ねる。
先程よりも艶っぽい声になった彼女が、
私の言葉を借りる様にそう返した。
「唇、ふやけちゃうね。」
「後でリップクリーム塗らないとね。」
「塗った後でもして良い?」
良いよと短く返して、凜を抱き締めた。

「キスしたまま、離れなくなっちゃえば良いのにね。」
「…それは、嫌かも。」
「流石に気持ち悪かった?」
「違うよ。
そうなったら、ひなちゃんの顔見れなくなっちゃうもん。」
…やっぱり、凜は可愛いな。
そう思いながら、もう一度彼女と口付け合った。

二人が出逢った頃の話→←[いい夫婦の日企画]十年後の二人



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設定タグ:百合 , 短編 , オリジナル   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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作者名:螢羅(K-Ra) | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年12月7日 19時

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