検索窓
今日:15 hit、昨日:3 hit、合計:12,999 hit

[魔族]Cupiditas -<別腹>で悶えさせて- ※微裏注意 ページ34

開け放たれた窓から、舞い降りる様に部屋に降り立つ一人の女。
静かだったその部屋が、その瞬間に二人の声で埋め尽くされた。

「…本当に飽きないわね。」
「飽きられないのよ。私が美しくいる為ですもの。」
「それじゃ、私では美しくなれないとでも言うの?」
「もう、そんな筈無いじゃない。
考え過ぎよ、リヴィー。」
リヴィーと呼ばれたその女はどこか
不機嫌そうに、甘く答える女を見据える。
「ルカ、今日は何人"頂いて"きたの?」
「沢山ね。もうお腹いっぱいよ。」
静かだった受け答えは、どんどん空気を熱くしていく。
「ふざけないで頂戴。
私では満足出来ないから他の女の所に行くんでしょう?」
「半分正解よ。でも半分ハズレ。うふふ。」
リヴィーの顔を優しく撫でながら、絶えず答える。
その様子は甘くて、淫靡で。
「どう言う意味よ。」
「貴女も魔族なら分かるでしょ?
私は女の愛を食べて生きているの。」
「だから私があげているんじゃない…!」
「良く聞いて、リヴィー。
あの娘達からは愛を貰っているけど、
貴女とは愛を交換し合っているわ。
言うなれば貴女は、取って置きのデザートなのよ。」
リヴィーの胸に移した手を、そっと動かす。
「それにあの娘達には攻め立てているけど、
貴女にだけはその欲に従っている。そうでしょ?
貴女の愛を受けられるのは、私だけだもの。」
小悪魔的に笑う彼女を、リヴィーは半ば強引に抱き寄せた。
「……吸わせなさいよ。」
「貴女、魔族の血は嫌いでしょ?
しかも貴女だって人間の女の血を吸うじゃない。」
「…ルカは特別なのよ。
それに私は、永く人の血は吸ってないわ。
貴女の為に…ね。」
抱いたまま、そっとベッドに押し倒す。
「沢山我慢してたのね…。いけない娘。」
「……覚悟しなさい。貴女の一番が誰かを教えてあげるわ。」
「もう分かっている事よ。でも、一緒に楽しみましょう…。」
言葉の後に、リヴィーとルカは激しく口付け合った。

どれだけの時間が経ったのだろう。
ベッドの近くにある小さな灯りのみが、二人を淡く照らす。
「…痕、沢山付けたわね。
食事の為に消すのが勿体無いわ。」
「私が男なら、ここまで付ける事も無かったのにね。」
「私は男のリヴィーに恋はしないわ。
女だから好きになったし、この関係を続けているの。」
「……もう一度、抱かせなさいよ。」
「ふふ、何度でも付き合うわ…。」
先程よりも甘く囁き合う二人を、淫靡な香りが包む。
それを身体中で感じながら、二人はまた唇を重ねた。

一瞬の弾ける様な煌めきを、ずっと貴女と見つめていたい。→←何よりも怖い事



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (3 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
設定タグ:百合 , 短編 , オリジナル   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:螢羅(K-Ra) | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年12月7日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。