【オリジナル】Milky Princess -彼女達の甘い秘め事-【GL/短編】 (ページ18)

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マイノリティの愛の形ページ18

＜異性愛は肉体的繋がり、同性愛は精神的繋がり。＞
こんな事を、テレビで誰かが言っていた。
言い得て妙だと私は思う。
同性同士の場合でも、安心を得る為に交わり合う。
ただそれは私達にとって、絶対に必要と言う訳では無くて。

確かに私と凜は、一度は身体を重ねた仲だ。
それでも私達は満足している。
会いたい時に時間を作って会いに行く。
それだけで楽しくも、嬉しくもなる。
今も私は、凜のベッドの中で彼女と身を寄せ合っていた。
「…ひなちゃん。今何か、難しい事考えてる？」
「え、変な顔してた？」
どうやら考え込んでしまっていた様だ。
「凜は私と一緒にいて楽しい？」
「楽しいよ。ひなちゃん可愛いし、優しいもん。」
「ありがとう。私も凜といて楽しいよ。」
更に強く抱き締め、鼓動を重ね合わせる。
「嬉しい…ふふ。
ねぇ、ちゅーして？」
「良いよ…。」
元々近かった顔の距離を更に近付け、唇を重ねる。
最初にした時は息が出来なくなるかと思ったけど、
今はそんな事は無くなった。
鼓動が速くなるのは変わってないけれど。
「……ふふ。何かおかしいね。」
「何で？」
「…女の子同士でこんな事するの、他で見た事無いんだもん。」
確かにテレビ以外ではあまり見ない様な気がする。
でも。
「自分が見た事無いものが、何でおかしいの？
誰かを好きになる事がおかしい筈無いじゃない。」
明かりが少し入る程度の薄暗い布団の中で、彼女を見つめて言う。
「一緒にいるだけでドキドキするのも、
触れ合ったりキスしたりすると嬉しくなるのも普通の感覚だよ。
相手が男性であっても、女性であってもね。」
まあ私の場合は凜だけどね、と続け、その頬に触れる。
赤く染まっているのではと思う位、熱くなっていた。
「…私ね、時々怖くなっちゃうの。
ひなちゃんと付き合ってる事で、辛くなる時があるの。」
「…何でよ。」
「だって、ひなちゃんが男の子と恋愛する時間を盗っちゃったし、
パパとママには男の子と恋愛出来ない事で申し訳無くなっちゃうし。」
もう一度、彼女に口付けを落とす。
「…私は嫌だって感じた事なんか一つも無いよ。
だってそれ位凜の事が好きだからね。
だから、そんな事は考えなくて良いの。
それに、凜も私の事好きなんでしょ？」
そう言うと、彼女は私に抱き着いてからくぐもった声で短く答えた。
「うん、好き…。」

私は凜と付き合えて幸せだとはっきり言える。
誰にも私達の邪魔なんてさせない。
心の中で呟きながら、彼女の髪をそっと撫でた。