【逆ハー注意】男装腐女子の魔法科男子校潜入記【2】

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「あ、おは……これまた面白いものを両脇につけてるね、A」
「おはようございます、アルくん」

両脇にしっかりと腕を絡みつかせてくるリクとカイを見て、アルくんは朝の挨拶すら忘れて苦笑した。そんな顔もイケメンだなぁ。双子といちゃついてくれないかな。会長でもいいよ。
ちなみにエドは私が双子に気を取られているうちにこれ好機といつのまにか消えていた。多分サボるんだろうな、ちくしょう私はエドがチワワに囲まれる図が見たかったのに。

ちなみに今いるのは体育館の壇上。新歓の開会式を会長がするんだけど、その際生徒会全員が後ろに控えていなければいけないのだ。改めて私この学園の生徒会に入ってしまったんだな、恐ろしいな、と実感が来た。

「リデルもおはよう。ヴァーノンさんも」
「おは、よう……！」
「おはようございます、Aさん」
「……会長もおはようございます」
「おせぇぞクソ猿」

なんと私は新入りから猿まで退化したようです。人間ですらいさせてくれない。
食堂の一件は綺麗さっぱり忘れてくれたようだけれど未だに苦手意識が消えない。俺様って小説で読むよりよっぽど腹たつのだ。現実は小説よりも奇なり。

体育館にはすでに数人の生徒が集まっており、いずれも私に決して行為的ではない視線を向けていた。肌を刺すような嫌悪と殺気に近いものに、私は思わず腕を摩る。
異例の庶務抜擢、その後ろに隠された原因を考えるとわからんでもないけど早急すぎやしませんか、理事長さん。

ま、私は男子高校生のイチャイチャが見れれば文句ないですけどね。

「じゃあ、ホノホノ、僕ら後ろで待機してるからね」
「何か変な気配とか感じたらすぐに言ってねー」
「はぁ……お願いします」

そう言って、リクとカイは私たちより随分後ろ、だが生徒たちから一応見えなくもない位置に立った。おそらく牽制の役目もあるのだろう、私は風紀委員の保護対象になったんだぞ、という。
今日はおそらくかなり狙われるだろうなぁ、親衛隊の皆様に。はあチワワ楽しみ。

「アルくん、親衛隊の統率くらいしてよ」
「え〜やだよ面倒くさいもん。あ、頰のガーゼってもしかしてそういうこと？」
「昨夜書類を届けた際にバッチリ制裁受けて来た」
「ウケる〜」

このギャル男が。仕返しとばかりに脳内でアルくんが襲われる妄想を繰り広げてやった。

「制裁されたんですか？」
「ヴァーノンさんの親衛隊に」
「それはすみません」

謝りつつも統率してくれないあたり腹黒だなぁ。

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